腰痛の根本改善って何だろう?

今回は「根本改善」という言葉について考えてみたいと思います。
魅力的だけど、大きな疑問
昨今、多くの治療院で根本改善がうたわれています。この言葉を見ると、「根本から改善できるなら、100%か、限りなくそれに近い確率で治るのだろう」と感じてしまいます。また、「原因をしっかり特定してくれるだろう」と想像して、非常に頼もしく感じてしまいます。根本改善が魅力的な言葉であることは間違いありません。
しかし、病や症状の根本って、何なのでしょう?根本改善をかかげている治療院のサイトを見ますと、多くの場合、根本を姿勢だと考えているようです。これは大きな間違いです。
例えば、治療院で扱うことが多い症状の代表は腰痛ですが、その根本は姿勢なのかというと明確にノーです。これまでの数多くの研究によって、姿勢と腰痛の関係性は否定されてきました。
もし、本当に腰痛の根本が姿勢なら、それは論文になっているはずだし、腰痛診療ガイドラインにも明記されているはずですが、そうなっていません。腰痛診療ガイドラインはレッドフラッグとして構築性脊柱変形を挙げていますが、これは不良姿勢とは全く違うものです。
つまり、よく使われる「根本改善」という言葉は、意気込みや取り組む姿勢を表現したものであって、根本が何か分かっているわけではありません。何しろ、医学的に結論が出ていないのですから。
姿勢に注目する弊害
根本改善といいつつ姿勢に注目することには、いくつかの弊害があります。
本当は症状を治したいのに、症状の改善がなくても、姿勢が改善していたら良くなっていると勘違いします。話がすり替わりやすいのです。
また、姿勢を施術によって改善しても、姿勢はまず間違いなく元に戻ります。「姿勢が悪くなったら、また痛くなるかもしれない」という不安が生まれてしまいます。このような間違った思い込みのことを医学では「不適切な信念」といいます。
症状が治っても、姿勢がまだ悪いとなれば、不要な施術にお金と時間を使うかもしれません。
こうした懸念も相まって、根本改善は扱いの難しい言葉なのです。


