倦怠感・疲労感の原因
だるさ(倦怠感・疲労感)の原因は大きく4つに分類できます。
- エネルギー不足
- 筋疲労
- 内分泌系疾患
- 自律神経失調症
エネルギー不足というのは、食事でちゃんとエネルギーを補給できていない、もしくは仕事などでエネルギーを消耗しすぎているといったケースです。
筋疲労の場合は、原因がはっきりしていることが多いです。休息を取ることを一番に考え、治療はその補助と考えていただくといいでしょう。
検査で内分泌疾患が見つかる場合もありますので、症状が長引く場合は自己判断せず、病院を受診されることをお勧めします。
病院の検査で特に異常が見つからない場合には、自律神経失調症の可能性が高くなります。自律神経失調症によってだるさが出るケースはよくあります。
自律神経失調症とは?
まず自律神経について説明します。脳から出される命令を体の隅々に届ける神経のうち、自分の意思でコントロールできないものを自律神経といいます。
私たちは手足であれば自由に動かすことができますが、心臓の鼓動を自分の意思で早くしようとしてもできません。こうした自分の意思でコントロールできない体の機能は、自律神経によってコントロールされています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキと考えるのが分かりやすいかと思います。
心臓の例でいえば、交感神経が活発になると心拍数は上がり、副交感神経が活発になると心拍は落ち着きます。食べ物を消化吸収する胃腸の働きは、交感神経が活発になると働きが抑えられ、副交感神経が活発になるとよく働きます。
自律神経のバランスが乱れ、正しく体の働きがコントロールされなくなった状態を自律神経失調症といいます。典型的な症状には慢性疲労症候群など個別の病名がつけられる場合もありますが、特に診断名がつかない場合も多くあります。
自律神経失調症の原因
自律神経が調子を崩す原因として重要なのは、何といってもストレスの影響です。
代表的なストレス
- 精神的ストレス
- 肉体的ストレス
- 物理的ストレス
- 環境的ストレス
周囲からのプレッシャー・不安・恐怖・挫折・怒りなど
病気・ケガ・睡眠不足・栄養不足・不規則な生活・身体疲労など
温熱・寒冷・高気圧・低気圧など
騒音・公害・災害・照明・空気汚染・細菌・ウィルス感染など
腎臓の上に副腎という臓器があります。副腎はアドレナリンやコルチゾールといったストレスに対抗するホルモンを出す働きがあります。しかし、ストレスが長く続くと副腎の働きが落ちてしまい、ストレスにうまく対抗できなくなってしまう場合があります。
体がだるいのに夜しっかり眠れていなかったり、食欲が減退してしまっていたり、常にだるさが続いてしまうような場合は治療を考えた方がいいでしょう。
だるさ(倦怠感・疲労感)の鍼灸治療
鍼灸治療は、自律神経のバランスを整える治療法です。だるさを伴う場合にも有効です。
自律神経失調症では、多くの場合、交感神経の過緊張が起こります。このとき、体の筋肉はこわばり、いわゆる「こった状態」になります。鍼灸で硬くなった筋肉をほぐすと、その刺激が脳に伝わって、交感神経の緊張がやわらぎ、血圧が落ち着いたり、呼吸が楽になったりします。
また、ブレーキである副交感神経の働きを高める作用もあります。特に手足への鍼灸刺激は、副交感神経を活発にして、リラックス状態を作り出す効果があります。これによって、だるさ(倦怠感・疲労感)の回復が促進されます。
ストレスを軽減する働きもあります。近年、鍼灸は脳の血行を改善し、オキシトシンなどのホルモンを増やしてストレスを下げることが分かってきました。副腎のホルモンバランスを改善する働きも知られています。
初回の治療後からよく眠れるようになる例も多いので、一度お試しください。
まとめ
・だるさの原因は自律神経失調症の場合が多い
・多くの場合、交感神経が緊張しすぎている
・リラックスすることが大事
・ストレスの影響が大きい
・つらいまま放っておくと副腎の働きが落ちる
・鍼灸は自律神経を整えるのに効果的
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