レディー・ガガさん、線維筋痛症を公表 「当面は休養」:朝日新聞デジタル

米国の歌手レディー・ガガさん(31)が12日、全身に痛みが広がる原因不明の「線維筋痛症」を患っていることを公表した。今月上旬、当面の間休養することを発表していた。ガガさんは同日、自身のツイッターで「線維筋痛症を患っています。この病気への意識を高め、同じ病気の人たちとつながりたい」と書いた。
http://www.asahi.com/articles/ASK9G2Q3ZK9GUHBI00K.html
レディーガガさん線維筋痛症

レディー・ガガさん、線維筋痛症ですか。

線維筋痛症とは、一言でいえば「全身が痛い」という難病です。

発症時から全身が痛かった人もいますが、腰痛だったり、手術の痕の痛みだったり、どこか一部分の痛みが広がって全身痛になることも多いです。

線維筋痛症の患者数は人口の1.7%、つまり日本に200万人いると推計されています。また、線維筋痛症の手前の人はさらに多くなります。

痛い場所が広がる・増える

難病というとほとんどの人には無関係のように思われるかもしれませんが、そうではありません。線維筋痛症は、腰痛や肩こりなどと「地続き」だといわれています。肩こりや腰痛が悪化していった先に線維筋痛症があると考えていただくと、おおむね正しいといえます。

例えば腰痛だと、痛む範囲は体の3~9%くらいでしょう。それが坐骨神経痛になると腰から一側の下肢全体が痛いこともあるので、数字でいえば20%くらいに広がることもあるわけです。さらに肩こりが悪化して首肩の痛みも合わされば、どんどん数字は大きくなります。

痛みが強くなるのも悪化ですが、痛い場所が広がる・増えるというのも悪化です。痛みの悪化は、徐々に線維筋痛症に近づいているという見方もできるのです。

脳の機能障害で痛みが悪化する

線維筋痛症は原因不明とされていますが、何が起きているか全く不明というわけでもありません。線維筋痛症の患者さんは脳の機能異常がある。これは、痛みの研究に関わる方々にとっては共通認識になっているそうです。

一つ前の記事でも書きましたが、脳は痛みの信号を全身から受け取ります。そのとき痛みの強さをコントロールする働きをしています。本来は痛みを小さくするのですが、脳の働きに異常があると痛みが大きくなってしまいます。

線維筋痛症に限りませんが、慢性疼痛の患者さんは脳の中の扁桃体という部分が過剰に働くようになります。扁桃体はネガティブな情動と関わる部分です。不安、怒り、悲しみ、恐怖といった感覚が強まってしまいます。

反対に、快感に関わる側坐核は働きが落ちてしまいます。すると、痛みのコントロールが効かなくなってしまい、痛みを感じやすくなってしまいます。普通の人が何も感じないレベルであっても、強い痛みを訴えるようになります。

さらにDLPFC(背外側前頭前野)が萎縮・機能低下を起こします。通常ならDLPFCは理性でもって扁桃体の活動を押さえていますが、痛みが長期に及ぶと押さえきれなくなってしまいます。この変化は、うつ病の患者さんに見られる状況と酷似しているといいます。

こうした問題が起こりますので、痛みを慢性化させてはいけないのです。慢性化のラインは発症から3ヶ月です。痛みは慢性化すると途端に治りにくくなってしまいます。もし痛みが出て1ヶ月以上過ぎているのなら、そろそろ具体的に治すための行動をとるべきでしょう。

参考になりましたら幸いです。

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