体質とは・・・
体の性質。生まれ持った遺伝的性質と、環境的な要因によって形作られます。
性格的な性質も体質に含める場合もあります。
例えば、太りやすい体質、疲れやすい体質、冷えやすい体質、虚弱体質、アレルギー体質など、さまざまな体質があります。
東洋医学では、体質を「素因」と呼んでいて、以下のように分類されます。
東洋医学の素因
肝実証体質
目が大きい。色黒でシミが多く、肌が荒い。体格は筋肉質。声が大きくて迫力がある。
太っ腹で親分肌。少しのことでは動揺せず、仕事も早い。女性では天真爛漫なタイプ。
肝虚熱証体質
目が細くつり上がっている。また耳たぶの内側にある隆起が飛び出ている。体格は痩せているが筋肉質。
几帳面で潔癖症。何事も最後まで片付けないと気が済まないが、思ったことがなかなか全部はできない。イライラしやすく、不眠や頭痛・肩こりになりやすい。
肝虚寒証体質
目が小さい。体格は痩せていて、筋肉も弱い。顔色が青白い人が多い。女性では、貧血や冷え性が多い。
気力、体力がなく弱気。怖がりで人に会うのも嫌になることがある。体調の良いときは、イライラしながら仕事をする。弱気と強気が入れ代わり立ち代わり現れる。
手足が冷えやすく、しもやけができやすい。冷えて下腹が痛くなりやすい。月経のときに下痢になりやすい。食欲はないが、食べれば食べられる。ため息が出やすい。
脾虚熱証体質
胃腸の熱が多くなりやすく、食欲があり、食べ過ぎる。頬骨が張っている、あるいは口や唇が大きい。性格はおおらか、もしくは話が大げさ。
食事をすると冬でも汗が出やすく、お酒を飲むと裸になりたがる。便秘だと苦しく、下痢をするとスッキリする。行動的で、歌うのが好き。
脾虚寒証体質
口が小さく、唇の閉まりが悪く白くなりやすい。口の周囲が黄色になりやすい。痩せている。何事にも消極的で根気がない。物思いにふけることが多い。記憶力も弱く、怠けやすい。
食欲は少なく、全身が冷えやすい。食べ過ぎるとすぐ下痢をして疲れる。腹痛や全身の倦怠感も出てくる。
肺虚熱証体質
色が白くて体毛が多い。胸毛やヒゲが多いのが特徴的で、案外に筋肉質。女性の場合は、色白でうぶ毛が多い。
声が低く力がある。自分に自信を持っている人が多く、気配りが下手な人が多い。汗をかきやすく、汗をかきすぎると冷える。体調がいいときは、汗をかくとスッキリする。ビールや牛乳で下痢になる。あるいは扁桃が腫れやすい。
肺虚寒証体質
色が白く、薄い体毛が多い。声に力がなく、行動力がない。小さなことで悩み、愚痴が多くなる。
冷えやすい。冷えると白い透明の尿が多量に出る。すぐクシャミや鼻水が出る。気分が落ち込みやすい。
腎虚熱証体質
耳が大きく、全身が浅黒く光沢がある人は腎がしっかりしていて長生き。しかし、つい無理をしがちで、結果的には疲れやすい。
中年以降は太りやすい。
へりくだった物腰。足がほてる、または足が痛むこともある。夜間にトイレに行きたくなる。息切れ、動悸がしやすい。
腎虚寒証体質
耳が小さい。何事も根気がなく続かない。弱気で積極性に欠ける。高齢になると腎が弱ってくるのは自然なこと。しかし、最近は子どもにも見られる。
手足が冷えて、カゼをひきやすい。夏でも汗が出ない。食欲はなく、下痢しやすい。病気に対する抵抗力が弱く、少し体調を崩しただけで重大な病気になりやすい。
最後に
どんな体質の方でもそうですが、調子のいいとき、悪いときがあります。それぞれの体質のよい所が発揮されるようにうまく付き合い、健康を育んでいくことが大切です。
参考書籍:日本鍼灸医学(経絡治療:基礎編)
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