前回、腰痛セミナーの感想を書いたら、講師の長谷川先生がFacebookでコメントをくださって、驚いてしまいました。
さて今回は、腰痛特集の補足です。
腰痛特集の内容は、大きく二つありました。
・ガイドラインに沿った治療は効果が高い
・事実を知ることが腰痛対策になる
今日は、「事実」について少し考えてみようと思います。
事実は一つ、真実はたくさん
事実というのは、そこに起きた事象そのものですから、一つだけです。
例えば、腰が痛くなったというのは事実です。
しかし、私たちはその事実から様々な解釈をしようとします。
例えば・・・
腰が痛くなった
↓
どうしてだろう?
↓
重い荷物を持ち上げたからかもしれない!
自分で考えうる範囲の中から納得できる仮説を導き出して、説明をつけようとします。こうした事実から導き出された解釈のことを時に真実といったりもします。
真実は、解釈する人の側に依存しますので、まさに人の数だけ存在することになります。人は、自分で知り得る範囲の中でしか解釈できませんから、真実にはどうしても偏りが生じます。そして、同じような出来事が繰り返し起こると、真実はその人の中で確信に変わるかもしれません。
「また物を持ち上げたときに腰痛になったぞ!腰痛の原因はこれだ!!」
繰り返すごとに、その真実はゆるぎない強固なものへと変わっていきます。すると、意識はどんどん腰の痛みにフォーカスしてしまいますので、腰痛が再発しやすくなってしまったり、長引いてしまったり、悪化してしまうリスクが高くなります。
腰痛の85%は原因不明という事実
では、腰痛発生の原因について、現在の医学で分かっている「事実」はどうなのでしょう。なんと、腰痛の85%は原因不明。これが事実になります。
分からないのです。
ある人が腰痛になったとき、はっきりと原因を見つけ出せる確率は15%しかありません。あとは全て原因不明です。病院で検査をして、原因が分からなくてガッカリする方も多いかもしれませんが、腰痛はそういうものなのです。
腰痛の原因として可能性が高いのは、心理社会的因子だとされています。ストレス、怒り・悲しみ・恐怖・不安といった数値化しづらいものが影響していると考えられています。
しかし、例えば強いストレスが一つあったとして、それ一つだけが原因かどうかは分かりません。「原因は複合的」なんて言い方をしたりしますが、その人の内外あらゆる要素が関係しうるので、原因を一つに絞り込むことはできないのです。
私たちは、事実から様々な解釈を生み出します。それが悪いと言いたいわけではありません。ただ、その解釈によって腰痛がこれじれることがあります。ぜひ、腰痛ことを知ってください。腰痛の事実を知ると症状が改善していくことが判明しているからです。
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