以前、こちらの記事にて、腰痛は1年経っても33%残るという論文を紹介しました。

腰痛は慢性化すると治りにくくなるという特徴があります。なぜ治りにくくなるのかといえば、不安・怒り・悲しみ・恐怖といったネガティブな気持ちが脳に変化を起こすからです。

しかしその一方で、慢性化する前であれば自然に治ることが多いのも腰痛の特徴です。慢性化の目安は3ヶ月ですので、多くの腰痛はそれまでに治るということです。

多くの腰痛は自然に治る

腰痛は、自己限定性疾患といわれています。自己限定性疾患という言葉はそのままだと難しいですが、「自然に治る疾患」という意味になります。腰痛はカゼと同じように放っておいても自然に治るので、こじらせなければそう悪いものではありません。

いや、疾患という言葉も適切ではないのかもしれません。多くの腰痛は検査をしても異常が見つからず、診断がつかないからです。

少し古いですが、The New England Journal of Medicineという有名な医学誌に掲載された論文には、次のような内容が書かれています。

  • 腰痛は通常、自己限定的な症状である
  • 非特異的腰痛は、6週間で90%が自然治癒
  • 坐骨神経痛は、1ヶ月で50%が自然治癒

自己限定的なので自然に治ります。また、疾患(disease)ではなく、症状(symptom)という言葉が使われています。

非特異的腰痛というのは、検査をしても異常の見つからない一般的な腰痛のことです。お尻や足にかけて痛みやしびれが出る坐骨神経痛は、普通の腰痛よりは長くかかる傾向にありますが、こちらも自然に治っていくことが多い症状です。

Back pain and sciatica.

腰痛の慢性化を防ぐには

ただし、一部ですが痛みは慢性化して長引く場合があるので、それを防ぐ方法をお伝えしておきます。

まず、自分の腰痛は特別にひどいとか、もう治らないとか、歳のせいで体が衰えてしまったとか、痛みをネガティブに受け止めないようにすることです。気持ちがネガティブになると、痛みに悪影響があります。

その上で、なるべく安静にしないこと、できる範囲でいいのでなるべく普通に生活を送ることです。今の医学で分かっている範囲では、これが腰痛の慢性化を防ぎ、早く治す方法になります。

痛みが強くて身動きが取れない場合は横になっていても大丈夫ですが、安静にするのは2日以内にとどめた方が良いといわれています。横になったままだと、かえって治りが遅くなってしまうからです。

参考:日本腰痛診療ガイドライン