ウォーキング
今回は慢性腰痛に対するウォーキングについてです。

腰痛と運動については、これまでにも記事を書いているので、参考にしてみてください。

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慢性腰痛の対策はウォーキングがおすすめ

腰痛の診療ガイドラインでは、「痛めて日が浅い腰痛では、安静はほどほどにして普段通りの活動をすること」、「3ヶ月を過ぎるような長引く腰痛では、積極的に運動すること」が良いとされています。

運動といっても様々ありますが、その中でも簡単で費用のかからないものとして、ウォーキングがおすすめです。

痛いのに歩いて大丈夫?

多くの腰痛は、ケガによって痛みが出ているわけではありません。痛みを起こしているのは主に腰の筋肉ですが、肉離れのような筋繊維の損傷は珍しく、多くは筋肉のこり・引きつりによって起こります。

また、痛めてから3ヶ月も経つと、仮にケガだったとしても自然に治っているのが普通です。痛みを感じる脳が敏感になって、痛みの感覚だけが残っている状態ですので、腰に何か重大な問題が起きているわけではありません。

長引く慢性腰痛は、脳を運動で活性化させることで改善に向かうと考えられています。

ただし、歩くのもつらいほど痛む場合は無理する必要はありません。その場合は、動かせる範囲で体を動かせば十分です。

ウォーキングだけでOK?他にも運動した方がいい?

The effectiveness of walking versus exercise on pain and function in chronic low back pain:a systematic review and meta-analysis of randomized trials

ウォーキングと他の運動の効果を比べた研究によると、慢性腰痛の改善に差はなく、同じくらい改善していました。また、ウォーキングのみと、ウォーキング+他の運動とで比較した場合でも差はありませんでした。

絶対にウォーキングをしないといけないということではありません。簡単にできるのでおすすめということです。他にやってみたい運動があれば、それに取り組んでいただければOKです。

腰痛関連の研究としてよく出てくる運動は、他に筋力トレーニング、ストレッチ、太極拳、ヨガなどがありますが、楽しく続けられるものであれば何でも大丈夫です。

どのくらい歩いたらいい?

統一見解があるわけではありませんが、「30分~50分程度のウォーキングを週に2回以上」を目安にするといいかもしれません。

とはいえ、いきなり張り切って疲れてやめてしまうともったいないので、最初は10分でもいいでしょう。徐々に習慣にしていって、距離を増やしていくことをおすすめします。

先程の文献では、期間を短期(3ヶ月未満)、中期(3~6ヶ月)、長期(6ヶ月以上)で調査していますが、同じくらい効果的でした。

まずは3ヶ月続けることを目標にしてみてはいかがでしょうか。

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