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自然治癒力で治っている

人の体は、ケガや病気をしたとしても自力で治そうとする力が備わっています。その力を自然治癒力といったりしますが、どんな症状であっても、治ったということは自然治癒力が働いて治っています。

ケガをしたとき、例えば転んでヒザを擦りむいたときに、絆創膏を貼ったりするでしょう。それでしばらく置いておくと、ケガが治っていきます。

しかし、実のところ絆創膏を貼らなくてもケガは治りますので、ケガを治しているのは絆創膏ではなく、自然治癒力ということになります。では絆創膏は何をしているのかというと、傷口を保護して悪化するのを防ぐのが主な目的になります。

痛み止めの薬はどうでしょう。その効果は、痛みを止めることです。必ずしも痛みを治しているわけではありません。

痛み止めで治ったように感じるのは、実際には薬が効いているうちに自然治癒力によって治った、ということです。自然治癒力が追いついていない場合は、痛み止めの効果が切れるとまた痛み出します。

いずれにせよ、治るということは自然治癒力の働きによるものです。

治療とは何なのか

では、治療は何なのかといいますと、自然治癒力を働きやすくする、もしくは自然治癒力を高める、ということになります。

健康な方の場合は、それこそ自然治癒力がしっかり働きますから、多少体調を崩したとしても放っておけば治ってしまいます。しかし、それが長引いたり、悪化したりする場合には、自然治癒力が弱っているか、何かに邪魔されていると考えることができます。その要因を取り除いて、しっかり自然治癒力が働くように誘導するのが治療であるといえるでしょう。

イメージとしては、治療者が患者さんを襲う病気と戦うというより、患者さんが病気と戦いやすくなるようにフォローするという方が近くなります。ドラクエで例えるならば、患者さんが敵と戦う勇者で、治療者は回復役の僧侶でしょうか。

カギを握るのは

「治療を受ける」という言葉があります。患者さんは受け身で、治療はすべて治療者がやってくれるという印象があるかもしれません。しかし、実際に治しているのは患者さん自身の力です。もちろん、こちらも全力で治療するわけですが、治療のカギはご自身が握っているということも知っておいていただけるといいのかなと思っています。