Google

インターネット検索の仕組み

何か困ったこと、知りたいことがあったとき、多くの方が利用するであろうインターネット検索。そこで利用するGoogleやYahooなどの検索サービスのことを検索エンジンといいます。

現在、YahooはGoogleの検索システムを使っているので、日本でインターネット検索をすると、ほぼGoogleの検索エンジンを使うことになります。

検索エンジンは、検索窓に入力された文字列を質問と解釈し、その答えとなるページを検索結果として出力します。そのため、検索エンジンはインターネット上にある膨大なホームページの内容を片っ端から記録・保存しています。

私たちがブログを更新したとき、ツイッターで何かつぶやいたとき、検索エンジンはその内容を逐一保存しているのです。

単純にいえば、キーワードが引っかかるかどうか

この世にホームページが2つしかないと仮定しましょう。片方は「腰痛のメカニズム」、もう片方は「うどんの作り方」のページです。

このとき、検索窓に「腰痛」と入力すれば、検索結果には「腰痛のメカニズム」のページが出てきます。「腰痛」というキーワードが「腰痛のメカニズム」に含まれているので、関係のあるページだと検索エンジンが判断するわけです。

腰痛というキーワードを含むページが複数あるときは、その中からより関連性の高そうなものを選んで順位をつけることになります。また「腰痛」だけで検索すると、検索エンジンには腰痛のことを知りたいのか、腰痛ベルトを買いたいのかを判別することはできません。

検索結果に正しい情報が出るとは限らない

Googleは検索エンジンサービスを多くの人々に利用してもらうことで収益を上げている会社です。検索利用者にとって有益な検索結果を表示できるよう、常にアルゴリズムのアップデートを行っています。しかし、検索エンジンはただのプログラムでしかないので、情報が正しいか間違っているかを判別することができません。

Googleにできるのは、人々の好みに合わせて検索結果を出すことだけです。

例えば、Googleはあるページを閲覧している人が、どのページから来てどのページに移動するのか、そのページを何分くらい見たのかで、ページの満足度を判定しているといわれます。あるキーワードに対して満足度の高いページは、それだけ上位に表示されやすくなります。

しかし、閲覧者の満足度が高いページに正しい情報が書いてあるとは限りません。Googleだって間違えることはあるのです(わりと頻繁に)。

悪用されるGoogleアルゴリズム

Googleが検索結果を決めるとき、数百ともいわれる項目をチェックして順位を決めています。例えば、被リンク数です。あるページが、他のページからどれだけリンクされているかによって順位が変わることがあります。(※リンクとは、クリックすることで別のページが表示されるボタンや文字など。ハイパーリンク。)

ホームページにリンクを貼るときは、内容を補足するページだったり、読んでほしいページのリンクを貼るのが普通です。そこからGoogleは、被リンクの数を「そのページへの人気投票」のように解釈をします。多くのページからリンクされているページほど、有益なページだろうと考えるのです。

情報が正しいかどうかは関係なく、リンクが多ければ上位表示されるということで、これが悪用された時代がありました。現在ではほぼ通用しなくなっているテクニックではありますが、全くの無効というわけでもありません。今でも「御社のホームページにリンクをたくさんつけますよ」という営業電話はかかってきます。

このように、検索結果は内容の良し悪しだけで決まらないというのはぜひ知っておきたい事実です。テクニックで順位を操作する余地がありますので、検索結果を鵜呑みにするのは本当に怖いのです。

「骨盤矯正」で検索してみる

「骨盤矯正」検索結果
骨盤矯正検索

「骨盤矯正」で検索をしてみます。広告欄は省いて、順位ごとに並べるとこうなりました。骨盤矯正を行っている店舗の情報が並びます。

Googleは「骨盤矯正」という質問を、お店を知りたいのだろうと解釈したわけです。当然ながら、骨盤矯正は健康にいいのでおすすめですよ、という内容ばかりになります。

「骨盤矯正 ウソ」で検索してみる

「骨盤矯正 ウソ」検索結果
骨盤矯正ウソ検索

次に「骨盤矯正 ウソ」で検索します。すると、ガラッと内容が変わります。骨盤矯正を勧めるページも一部ありますが、骨盤矯正なんてウソに騙されてはいけませんよ、というページの方が多くなります。

Googleは「骨盤矯正 ウソ」という検索ワードから、骨盤矯正がウソであることを解説したページを探していると解釈したわけです。

骨盤矯正はウソかもしれない。そう考えることができた人だけが、これらの情報を知ることができます。これがインターネット検索の特徴なのです。

Googleは、あなたのことを知っている

Googleは、あなたがこれまで検索してきたキーワードを記録しています。そこから性別、年齢、住んでいる地域、趣味嗜好などをある程度判別して、検索結果に反映させています。それにより、あなたの好みに合った情報を提示するかもしれませんが、大事な情報にふれる機会を失っている可能性もあるのです。

今のGoogleは、「腰痛」という検索一つ取っても、腰痛の専門家と一般の方とで全く違う検索結果を表示する可能性があります。詳しい人にはより詳しい情報を、そうでない人には一般論や偏った情報ばかりを提示するかもしれません(フィルターバブル)。

情報を味方につけるには、情報を自ら知っていくことが必要な時代です。そのためには、情報源をインターネットだけに依存するのは危うい可能性があります。