急性腰痛、いわゆるギックリ腰ですが、その発症にはおおよそ3パターンあります。

第一に、体に負荷がかかった途端に痛みが起こり、そのまま動けなくなる場合です。典型的なのは荷物を持った時に発症するもので、あまり多くはないのですが、ギックリ腰といえばこのイメージが強いでしょう。

第二に、きっかけがあって痛みが出たものの、その時は少し痛いか違和感がある程度だったものが、じわじわ悪化して半日~1日後に強い痛みに変わるものです。例えば、くしゃみをした拍子に腰に違和感を覚え、それが時間とともに痛みになって、動けなくなるまで悪化することがあります。

第三に、きっかけは何もないのに、腰の違和感が出始めたと思ったら、それがだんだん強くなって痛みだす場合です。意外に思われるかもしれませんが、急性腰痛で一番多いのはこのパターンです。ギックリ腰の多くはきっかけがないまま発症します。

痛みは基本的には体の危険信号ですが、危険がなくても痛み出すことはよくあります。例えるならば、火災報知器の誤作動のようなものです。その場合は、火災報知器を止めればすぐに痛みは消えますので、治るのも早いといえます。

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