腰椎椎間板ヘルニアには手術という手段がありますが、これは最終手段といえるものです。できるなら、なるべく選びたくない選択肢です。
理由はいくつかあります。
まず、手術の成績は、短期的には良好ですが、長い目で見ると保存療法と差がありません。そして、手術の有効率が高いのは最初の1回だけで、2回目以降は有効率が下がってしまうという問題があります。2回目からはリスクの方が無視できなくなります。1回目でうまく改善しなかった場合、2回目は期待できないのです。
また、手術の成績は、患者さんの抱えるストレスの強さによって大きく結果が左右される性質があります。痛みの最大の原因がストレスです。椎間板ヘルニアを取り除いたからといって、ストレスが全て消えてなくなるわけではありません。
ヘルニアは原因の可能性の一つではありますが、データを見る限りは痛みと無関係のものです。手術1回目でなぜ有効率が高いのかは、実はよく分かっていないのです。(ヘルニアが原因だと考える方にとっては、ヘルニアがあること自体が強いストレスになる可能性はあるでしょう。)
ですから、多くの医師がそうであるように、手術はできるだけ避け、まずは他の手段を考えることを当院もお勧めします。
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