知ったのは本がきっかけ

今日は、私がTMSジャパンの講演会に参加するようになった理由を書こうと思います。TMSジャパンというのは、「腰痛は怒りである」の著者・長谷川淳史先生が代表をされていて、エビデンスに基づく腰痛の情報発信をされています。

そもそも私がTMSジャパンや長谷川淳史先生を知ったのは7~8年前だったと思いますが「腰痛は終わる!」を読んだのがきっかけです。

ヘルニアに鍼灸が効く理由が分からなかった

当時、開業して数年経った頃ですが、私は大きな疑問を抱えていました。椎間板ヘルニアがとても不可解だったんですね。

「神経が椎間板に圧迫されて痛みが出る。」
この理屈がどうも納得いかなかったのです。なぜなら、もし本当に神経の圧迫による痛みなら、鍼灸が効くはずがないからです。鍼(はり)を刺したところで、飛び出した椎間板に何かできるわけではありません。でも、患者さんの痛みやしびれに効果が出ているように見えます。東洋医学的に理屈はつけられるけど、現代医学的に考えるとよく分からないわけです。

鍼灸師の先輩の中には、「椎間板を鍼で砕いて白血球の貪食を促すんだ」とか「飛び出したなら引っ込めればいい」とかいう方もいて、私はますます首をかしげていました。

それが、いざ本を読んでみたら、椎間板ヘルニアと腰痛は関係ないと書いてある。根拠も明白。すぐに学生時代の生理学の教科書を思い出し、そりゃそうだ、神経を圧迫したら麻痺するじゃないかと納得がいったわけです。

治療については全然納得できていなかった

ただ、そこですぐにTMSジャパンの講演会に行こう、と思ったわけではありません。腰痛が何なのか、腰痛が何でないのかは納得ができた。でも治療法についてはサッパリ理解が追いつかないわけです。それこそ「腰痛は終わる」を読んだところで、治療法については何も肝心なことを書いていないように見えました。私の中の「治療とはこういうものである」という固定観念が邪魔をするんですね。

他に「ヒーリング・バックペイン」や「なぜ心は腰痛を選ぶのか」も読みましたが、正しい知識を伝えることが治療になる意味が分からない。本には、話を聞く耳を持たない半数の人は治療の対象にならないとも書いてあって、いや、それはどうなんだと思っていました。なので、治療についてはあまり深入りしないまま、でも時々長谷川先生のtwitterを覗く、という感じでした。

DVDを見てやっと分かった

それが不思議ですが、時間が経つことで考えが変わってくるのか何なのか。よし、一度DVDを見てみようと思い立ち、TMSジャパンメソッド2015を取り寄せます。それを見て、ようやく納得がいきました。DVDは何度も見返して、知り合いの先生にも教えたりしました。

私は脳のことを分かっていなかったんですね。DLPFCや扁桃体を分かっていなかった。そうか、脳か。これでようやく理解が追いついて、鍼灸治効とも話がつながりました。もっと勉強しなくてはと、講演会に足を運ぶようにもなりました。

こんな感じで、私は痛みと脳の話を知るまでにけっこう時間がかかっています。

昨日は品川で講演会でした

さて、そんなこんなで、昨日4月15日(日)は東京の品川で開かれたTMSジャパンの講演会に参加していました。新しい話がいろいろと聞けましたし、同じ話でもまた新しい感覚で聞くことができました。

といいますか。「分かった」と思うことって怖いんですね。分かったと思ったとき、もうそれ以上のことを考えなくなっていますから、それは思考停止なんですね。あー、分かったと思っていたけど、まだ分かってなかった。そういう再確認がいろいろ出来ました。やらないといけないことが増えました。ありがとうございました。

まずは、菊地 臣一先生の「一問一答! 腰痛のエビデンス」を注文ですけれども。

今求められる痛みの治療スキル