アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒(かゆみ)のある湿疹が特徴的な疾患です。
患者さんの多くはアトピーになりやすい要因(素因)を持っています。具体的には、家族にアレルギーが多い、IgEという抗体が作られやすい、などです。
ただし、アトピーに似た皮膚疾患もいろいろあるので、専門医の診察は欠かせません。
アトピー性皮膚炎の症状
皮膚の角質層(角層)が傷つくことで、体を保護するバリア機能が低下します。
皮膚が傷つくことで、アレルゲン(抗原)が入り込みやすくなり、アレルギー性の炎症が起こり、かゆみが出ます。
かゆいので引っ掻いて皮膚が傷つき、アレルゲンが入って炎症が拡大し、さらにかゆくなる、という悪循環です。
アトピー性皮膚炎の治療方法
アトピーの治療としてはステロイド外用薬が有名ですが、その他にタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)などがあります。詳しくは専門医にご確認ください。
アトピー性皮膚炎では、皮膚が乾燥することでバリア機能が低下することから、保湿・スキンケアが重要になります。
汗をかくことがダメではないのですが、汗をかいて放置するとかゆみを起こすことがあるため、シャワー等で洗い流すなどの対策が推奨されています。
アトピー性皮膚炎とストレス
アトピー性皮膚炎はストレスで悪化する特徴があります。
アトピーの症状がストレスでもあるため、悪循環に陥りやすいといわれています。
ストレスが影響する疾患のことを心身症といいますが、アトピーは心身症にも分類されています。
その他、社会生活への影響、QOL(生活の質)の低下など、アトピー性皮膚炎の影響は多岐にわたります。(睡眠障害、不安・抑うつ、仕事や学業への影響・・・など)
アトピー性皮膚炎と鍼灸
免疫システムは、自律神経と密接な繋がりがあります。液性免疫・細胞性免疫のバランスは、交感神経・副交感神経のバランスと関係しています。そのため、鍼灸で自律神経バランスを整えることは、免疫バランスを整えることに繋がります。
また、東洋鍼灸はアトピー性皮膚炎を治療してきた積み重ねがあり、かゆみを抑えるツボ、炎症の熱を飛ばすツボなど、治療法が数多く報告されています。治療には根気も必要ですが、試す価値は十分にあるといえます。
文献を見てみても、鍼灸治療はアトピー性皮膚炎に対する有効性が示唆されています。30回以上の治療を行うことで、かゆみ、好酸球,IgE値の低下が認められたという報告があります。
<参考文献>
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版
アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療 日本東洋医学雑誌 第51巻第5号(2001)
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