中秋の名月も過ぎまして、日中はまだ暑さが残りますが、夜は少しずつ涼しくなってきた今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。
このところ腰痛の患者さんが増えてきていますので、今日は腰痛に関係した話題です。

腰痛の原因のなかでも一番重要なのはストレスです。
これを患者さんに説明すると、反応は大きく二つに分かれます。
「そうなんですよねー」という場合と、「ストレスは特に感じてないんですが…」という場合です。
しかし、ストレスが全くゼロならば、そうそう腰痛症にはなりません。
ストレスを感じていない患者さんは、知らず知らずのうちにストレスを抱えている可能性を考えます。

人の感覚はどれでもそうですが、順応するという特徴があります。
明るいところから暗いところへ行くと、最初は見えにくいけれども次第に見えるようになる。
食べ物の匂いを感じて「おいしそう」と感じても、時間が経つと匂いが分からなくなる。
どれも順応の結果です。
慣れるのですね。

ストレスも同じで、初めて受けるストレスははっきり感じられますが、同じストレスを受け続けると慣れてしまって分からなくなります。
しかし、ストレスが消えたわけではありませんから、知らないうちに蓄積して、ある日突然ガクッと腰に痛みが走るのです。
「これ以上ストレスを貯めるな」という、体のサインです。

仕事で疲れて家に帰り、玄関ドアを閉めた後の「はぁ~」というため息。
のしかかっていたストレスから開放される瞬間です。
昼間はストレスがかかっていることを意識していなくても、重しがとれると気づくことができます。
ここで十分に脱力できることが一番の腰痛予防ではないか。
最近はそんな風に感じています。