健康な脳

見ただけで痛くなる

タイトルのままなのですが、痛みというのは脳に記憶されます。
「痛かった」という経験を覚えているだけでなく、そのときの心理状態や脳の状態もどうやら覚えているようです。

痛そうにしている人の映像を見る。
うわぁ、痛そうと思う。
痛みに共感してしまう。

すると、本当に痛くなってくる。

脳にしまわれている痛みの記憶が再生されて、それだけで痛みを感じる。
実際にあることです。

脳が高機能すぎるのか、繊細すぎるのか分かりませんが、痛みを感じる脳の領域(ペインマトリクス)は、痛みを想像するだけでスイッチが入ります。

重たい荷物を持って腰が痛くなった経験があるとします。
すると、重たい荷物を見ただけで、脳のなかでは痛みを連想してしまいます。
そのまま荷物を持つと、実際に痛みが起きる。

体の問題は何もなくても、脳のシステムエラーだけで腰痛を発症してしまう。
痛いときの体の状態を再生してしまう。

実際に起こり得ます。
というか、起きています。

見ただけで治る

これの逆もあります。

鍼灸院にいらした患者さんが、私の顔を見ておっしゃるんですね。

「先生の顔みたら力が抜けて、楽になりました。」
「ここに来たらすーっと体が楽になります」

まだ何も治療していません。

私の治療を受けて楽になった経験があって、その記憶が呼び起こされると、それだけで治ってしまうことがあります。
この言葉、何度使ったか分かりませんが、「病は気から」というしかありません。

どの記憶を大切にするか選ぶ

過去の経験・記憶を消すことはできません。
しかし、心のクセとして、思い出しやすい記憶とそうでない記憶があるのは事実です。

ならば、痛みとは違う記憶を大切にすることで、痛みを思い出さないようにしていくことは可能といえます。
そのためには、痛みに興味を持たないこと、もっと別のことに興味を持つことです。
例えるなら、痛みを「忘れられないあの人」にするのではなく、「別の人を見つけて、とっとと忘れる」のが正解です。

痛みに興味津々だと、痛みから離れられなくなってしまいます。
痛いことではなく、痛くてもできたことに注目する。
心のクセを変える練習をすることです。

こちらも参考にどうぞ。
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