体のゆがみを直したい。
そう考える方はとても多いと思います。テレビでも雑誌でも、体のゆがみについて、たくさんの情報が出回っていますね。
しかし、私はそれほどゆがみを直すことにこだわっていません。その理由は、治療の目的がゆがみを直すことではなく、症状を改善することだからです。
ゆがみを整えたら治るとは限らない
ゆがみは整えたけれど症状は残っているという例はいくらでもあります。当院にも「整体でゆがみを整えてもらったけれど、治らなかった」という相談が来ます。「本当に姿勢はきれいになるけど、具合は良くならない」という方はいるのです。「体のゆがみ=症状の原因」という図式だけでは限界があります。
そもそも体のゆがみを整えることは、数ある手段の一つにすぎません。万能の手段でもありません。何か一つを解決したら全て良くなるのであれば簡単なのですが、実際はもっと複雑です。(○○を整えれば病気は治る、みたいな本でも、中身は複雑だったりします)
肩こり一つをとってみても、原因を一つに限定することはできません。私も説明するときにはストレスの一言でまとめたりしますが、ストレスといっても中身が膨大です。筋緊張、自律神経バランス、免疫、血行不良、姿勢アライメント、炎症、冷え、食生活、金銭問題、対人関係、仕事、家庭、運動、、、等々。どれか一つの要因のみが影響して、他は無関係というわけにはいきません。
ゆがみは結果的に整う
そして、もう一つ。
鍼灸治療をしていると、結果的に体のバランスがよくなっていきます。緊張が強すぎればやわらげ、弱ければ補ってという具合に、心身を総合的に治療するのが鍼灸です。
わざわざ目標にすえなくても、結果的に体のゆがみは整っていきます。例えば、治療後に左右のバランスが整ったり、前後屈の可動域が広がったりするのは、普通にあることです。
しかし、ゆがみを直すことがゴールにはならない。そう考えているので、治療のときはあらゆる可能性を考えながら施術にあたります。
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