「鍼灸治療は自然治癒力を高める」
いろんなところに書いていることですが、そもそも自然治癒力ってどういうことなのか。鍼灸をするとどうなるのか。今回はそういう話です。
さて、まずはグラフを見ていただきたいのですが、症状が出始めてからだんだん辛くなって、でもピークを過ぎると次第に楽になっていく。風邪などイメージしていただくと分かりやすいですが、普通はこのようなラインをたどって症状は治っていきます。
これが、自然治癒力が働いている状態です。放っておいても体に備わった力で自然に治るということです。このグラフのように推移しているなら、そんなに心配はいりません。
ところが、ときどき次のようなグラフになる場合があります。
これらの例では、自然治癒力がうまく働いていません。本当なら放っておけば治るはずの症状が、いつまでたっても残ったままだったり、じわじわ悪化していたり。
こうした状況を本来のラインに戻すこと。それが、「自然治癒力を高める」という話になります。ですから、鍼灸の理想的なラインは次のようになります。
しかし、ときどきですが、鍼灸に次のような効果を期待して来院される場合があります。
実は、こうなるケースもあるにはあります。個人差や症状の種類によって、このような治り方をする例は一部ですが実際にあります。ですが、狙ってできるかというと、難しいと言わざるをえません。いくつかの幸運が重なる必要があります。
風邪薬を飲んだからといってすぐに治らないように、治るということは本来は静かなものなのです。
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