昨日は京都府鍼灸師会の生涯研修会でした。

この日の講義の中では、関西医療大学の樫葉均教授の講義が非常に興味深いものでした。講義のテーマは「感覚、特に痛みを中心とした新知見」でしたが、その中で「しびれ」について触れておられました。

自由神経終末にあるTRPA1という受容体。これが血行不良などで酸欠状態になると、異常に活性化してしまう。結果として強いしびれが発生するということです。

血行不良がしびれを引き起こすことは前から知っていましたが、詳しいメカニズムを知ったのは今回が初めてでした。正直、もっとこの先生の講義を聞いていたかったです。

神経の圧迫ではしびれない

ところで、しびれといいますと、神経の圧迫が原因とする記事を多く見かけます。しかし、実際は神経が圧迫されてもしびれは起こりません。

神経は圧迫されると信号の伝達が止まりますので、感覚が伝わらなくなります。すると、しびれという感覚も脳に伝わらないので、何も感じない状態になります。これを麻痺といいます。医療者でも混乱しやすいところです。

もし、しびれでお悩みなら、血行を改善することを考えるといいでしょう。鍼灸も血行を改善する効果が知られており、当院でもしびれの治療を行っております。

参考になりましたら幸いです。