梨状筋症候群とは
坐骨神経痛を引き起こすとされる疾患の一つに梨状筋症候群があります。一般的に梨状筋症候群とは、坐骨神経がお尻の梨状筋によって圧迫されて、痛みやしびれが出るものをいいます。
典型的な症状
- お尻や足の痛み・しびれ
- イスに座っているとつらく、立っていると楽
- 横になると痛いので眠れない
- うつ伏せや、仰向けで腰の下に枕を入れているとマシ
このような症状の場合、梨状筋症候群が疑われます。
出典:日本脊髄外科学会
原因は坐骨神経周囲の血行不良
梨状筋症候群は、坐骨神経の周りの血流を梨状筋が邪魔してしまうために、お尻から足にかけて痛みとしびれが現れます。座った体勢でつらいのは、血行が邪魔される姿勢だからです。
梨状筋へのアプローチ方法にはストレッチもあるにはありますが、坐骨神経痛が強く出ているとストレッチの姿勢を取るだけでつらい場合があります。鍼の方が苦痛が少なく、効果も見込めます。
鍼灸によって、血行改善と全身調整を行えば、ほとんどのケースで改善が見られます。梨状筋そのものに対しては、少し長めの鍼を使ってアプローチします。
日常の注意点
一つ注意点です。痛いからといって、全く動かないのは逆効果だと覚えておいてください。痛みが強いと、どうしても体を動かすのが嫌になります。しかし、動かさないでいるとよけいに血流が悪くなったり、痛みやしびれが強くなったりします。
なるべく日常の生活はそのまま続けること。痛みを過度に怖がらないこと。もしできるなら、少し体を動かす時間を増やしてみることです。体を動かすといっても、少し大股で歩くとか、5分の散歩くらいからで構いません。
冷やすよりは温めてください。梨状筋症候群はケガや炎症とは違います。血行改善には心地よい温度で温めることです。
梨状筋症候群と診断される方の中には、歩くのも困難な強い痛みがでてしまうケースがあります。症状がつらいときは早めに治療を始めることをお勧め致します。
念のため書きますが、体のゆがみは心配いりません
しばしば、梨状筋症候群や坐骨神経痛が体のゆがみによって引き起こされるとの言説を目にしますが、まったく医学的に根拠がありません。体のゆがみ、骨盤のゆがみ、背骨のゆがみ・・・色々な記事がネットには溢れていますが、その信頼性は無いに等しいものです。ご注意ください。
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