気血

東洋医学には、「通じれば即ち痛まず、通じざれば即ち痛む」という法則があります。

通じていれば痛まない。では、何が通じていれば良いのかというと、気血です。

気血というと難しく感じられるかもしれませんが、シンプルに血流のことだとお考えください。血はそのまま血液と同義ですし、気は血を動かす作用の意味です。

つまり、血流がしっかり流れていれば痛まない、ということです。簡単ですよね。

ただし、東洋医学では気血が通じない状態には二種類あると考えます。「虚」と「実」です。

虚とは、気血が少ないために通じていない状態です。道路でいえば、車がぜんぜん走っていない状態。

これに対して、実とは、気血が充満して通じていない状態です。道路でいえば、大渋滞を起こしていて、車だらけで動かない状態。

どちらも通じていないことに変わりはありませんが、内容が正反対なのがご理解いただけると思います。当然ながら、「通じさせる」ための手段も正反対になります。

虚しているなら交通量を増やすための策を講じますし、実しているなら迂回ルートをうまく使って交通量を減らす必要があるわけです。

鍼灸は体を刺激して治療するわけですが、使う刺激は一種類ではなく、状況に合ったものを使い分けています。