腰痛改善のためには、不安を払拭することが有効といわれています。不安は痛みを増幅したり、長引かせたりすることが脳の研究によって分かってきています。

今回はそれに関連して、楽観主義(ポジティブ)と痛みについてです。

楽観的な兵士は痛みを起こしにくい

Association Between Predeployment Optimism and Onset of Postdeployment Pain in US Army Soldiers.

戦地では、兵士たちに腰痛が増えることが知られています。兵士が戦線離脱する理由として、ケガよりもストレスによる痛みの方が多いのです。そのため、軍隊では慢性痛のリスクを調べることが不可欠とされます。

この研究では、アフガニスタンまたはイラクに配備された、約2万人の米軍兵士を調査しました。その結果、楽観的な兵士は、頭痛や腰痛になりにくいことが分かりました。

これは兵士に限った話ではありません。一般の人々も楽観主義によって痛みが減る可能性があります。

楽観主義は生まれつきのものではなく、学んで身につけることもできます。最高の自分をイメージしたり、感謝を表現してみたり、瞑想やマインドフルネス、認知行動療法などの方法もあります。

ポジティブな対応は症状を改善させる

もう一つ、別の視点から見てみましょう。

General practice consultations: is there any point in being positive?

一般診療で、ノドの痛み・腰痛・頭痛など、症状はあるが身体的な異常は見つからない患者200名を対象に、医療相談を行います。

その際、先生がポジティブな対応をするグループと、ネガティブな対応をするグループに分けます。さらに、それぞれプラセボ治療を行うグループと、何も治療を行わないグループに分けて、2週間後に症状の改善度を調べました。

ポジティブな先生だと64%改善するが、ネガティブな先生だと39%の改善にとどまる。

結果、ポジティブな対応をしたグループでは、治療の有無に関わらず64%が改善しましたが、ネガティブな対応をしたグループでは治療を行っても42%しか改善しませんでした。

論文の著者は「おそらく、医師自身が依然として最も効果的な治療法です」と述べています。どんな治療をするかも大事ですが、対応する先生が誰かによって結果が変わってくるようです。

まとめ

楽観的な人は痛みを起こしにくい。自信に満ち、前向きな態度で接する先生だと、安心できるし、実際に良くなる可能性も高い。

何度書いたかわかりませんが、改めて、「病は気から」と思える論文2本を紹介しました。参考になりましたら幸いです。

参考⇒腰痛の原因と治し方(まとめ)