パニック障害では、パニック発作の際に強い交感神経の興奮が起こります。しかし、実は日常的に過緊張ぎみになっていることが多くあります。普段から緊張をしていることに気づき、リラックスすることで発作は起こりにくくなっていきます。(これは、鍼灸治療が一番お手伝いできる部分でもあります。)

例えば、呼吸の早さです。呼吸数は1分間に10~12回くらいが普通とされますが、パニック障害の方はそれより呼吸が速くなっていることがあります。呼吸が速いと交感神経の緊張を起こし、パニック発作(過呼吸)を起こしやすい下地になります。慣れるまでは少し息苦しいと感じるかもしれませんが、意識的にゆったりした呼吸を心がけることが大切です。

体の緊張もあります。疲労がたまったり、人のいる所へでかけたりすると体が硬くなるのは、誰でも自然に起こることです。しかし、パニック障害の方は、その後も力が抜けずに緊張したままになってしまうことがあります。ストレッチや軽い体操などで緊張を解いていくことです。

そして、発作が起きたときのために、その対処を事前に練習しておくことが重要になります。

1、できるだけ安静な姿勢を取る
2、息を止めて10数える。
3、鼻から4秒間かけて息を吸い、6秒間かけて息を吐く。この呼吸を静かに繰り返します。

呼吸がコントロールできれば、自律神経も落ち着きますので、次第に発作は収まっていきます。

パニック障害では、発作が起きたらどうしようという不安・恐怖が問題になります。発作の対処をしっかり練習しておくことで、もし発作が起きても大丈夫と、不安を小さくしていくことが大切です。