まだまだ寒い日が続きますが、ときおり温かい日もあります。寒暖の差が大きいと自律神経も揺さぶりを受けるのか、患者さんの状態に影響が何かしら出てきます。

このブログでは、よくストレスと自律神経について取り上げています。慢性的な肩こり・腰痛といった症状は、ほとんど全てと言っていいほど自律神経失調症の仲間だからです。これは、医学的には明らかなことですが、まだまだ浸透していないのも事実です。

初診の患者さんが来ると、痛みの原因について心当たりがないか伺います。例えば、立ち仕事をしている方は「立ちっぱなしでつらい仕事だから」というように答えが返ってきます。

お気持ちはとてもよく分かるのですが、実は姿勢・体勢が問題なのではありません。問題なのは、「つらい」という部分です。つらいと感じているから、つまりストレスを受けているから、自律神経を介して血流が乱れ、筋肉にコリが出来て、痛みが生まれます。

同じように立ち仕事をしている人でも、つらくない人は痛みを訴えません。疲れはしますが、寝たら回復します。しかし、つらさを感じている方は、時に何もしていなくても体に痛みを訴えます。(うつ病の随伴症状に腰痛が多いことはとても有名です。)

何がストレスになって症状が出ているかは人それぞれです。一つだけが原因だと分かりやすいのですが、たいていは複数のストレスが積み重なっています。最初に取り上げた、寒暖の差もストレスの一つです。

朝、洗面台で顔を洗おうとして前かがみになるのが辛い、という患者さんがいました。前かがみの体勢がよほどつらいのか、それとも、これから仕事に行くのがつらいのか。ストレスの根っ子を推理しながら治療を組み立てます。

ストレスの種類によって、治療法(ツボ)を使い分けるのは、東洋医学の特徴の一つです。