人体は、そのほとんどが自律神経によってコントロールされています。
自律神経とは、交感神経と副交感神経の2つです。
心身を活動的にするのが交感神経、リラックスさせるのが副交感神経です。

2つの神経は、お互いにバランスを取り合っています。
片方が活発になれば、もう片方は静かになります。
普通は、昼間は交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になります。

しかし、昼間なのに交感神経が活発にならなかったらどうでしょう。
仕事中でも体がだるくて仕方ないということになります。
夜なら寝てしまうので問題にならなくても、昼だと「症状」になってしまいます。

反対に、夜なのに副交感神経優位にならなかった場合はどうでしょう。
体は活動的なままですから、寝ようとしても眠れません。
睡眠障害ということで、これも「症状」ですね。

体の中のバランスが、体の外の状態とズレていると、さまざまな問題が起こります。

例えば、肝臓は夜寝ているとき、つまり一番リラックスしているときに活発に働く内臓です。
ところが、自律神経のバランスが交感神経よりにズレていると、夜寝ていても肝臓のスイッチがしっかり入らず、十分に働けない場合が出てきます。
肝臓の働きの一つに疲労物質の分解がありますが、その働きが悪くなり、疲れが取れないことになります。

この状態は、自然治癒力が低下しているといっていいでしょう。
体の内側と外側がズレていると、健康を維持する力が下がってしまうのです。

今回は昼と夜で説明しましたが、春と夏のように、季節とのズレもあります。
こうしたズレを見つけて、本来の状態に戻そうとするのが、東洋医学の考え方の1つです。