先日の治療の話です。
アゴの後ろあたりに痛みがあるというので、患者さんのスネを調べると筋肉の硬結をみつけました。押さえるとアゴの痛みは楽になるようです。そこに鍼をするとはっきりと改善が見られました。

もう一つ。
私はお酒を飲み過ぎるといつもアゴが痛くなるのですが、これもスネ(前脛骨筋)をマッサージすると痛みがやわらぎます。

アゴの痛みが足で治るというのは一見不思議な現象ですが、これは東洋医学で考えるととても簡単です。アゴもスネも、足陽明胃経という経絡でつながっているからです。
足陽明胃経の図(はり灸治療の手引きより)
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この経絡は名前のとおり、胃にも繋がっていますので、アゴの痛みは胃の不調を伝えるサインと捉えることができます。

もう一つ画像を見てみましょう。下の図は、筋肉連鎖のモデルの一つです。
(トリガーポイントと筋肉連鎖より)
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筋肉は単独で働くのではなく連動して機能しますが、それを図にするとこうなるそうです。(他にも色々なモデルがあります。)少しラインは違いますが、足陽明胃経と似ていますね。こちらだと、足の硬結が連動する筋肉に伝わってアゴの痛みを引き起こした、と考えることができます。
東洋医学とは違う学問ですが、同じようなことを考えていて面白いです。

こうした例は他にもあります。また機会があったらご紹介します。