今日はツボの話です。

鍼灸師はツボに鍼やお灸をして治療します。ツボは正しくは経穴といって、一つ一つ場所が決まっています。例えば合谷(ごうこく)でしたら、「手背の第一・第二中手骨底間の下の陥凹部」といった具合です。しかし、これが分かっても治療は出来ません。何故かというと、反応の出ているツボでないと効果が出ないからです。

ではツボの反応とは何でしょう。それは、周りとは違う状態になっていることです。例えば、そこだけ凹んでいる、硬くなっている、冷えている、熱くなっている、カサカサしている、湿っている等々…。こうした変化のある場所が反応の出ているツボです。

鍼灸師は手の感覚を使って、何百個とあるツボの中から治療に効果のあるツボを探し出します。もちろん、順番に全部を診ていたら時間がいくらあっても足りません。診察をして、東洋医学理論を使って、可能性の高いツボをピックアップしていきます。でも最後は指先で探します。

切診(=触診)をしていると、例えば「あ、ここは押さえたら痛いな」と押さえる前に分かります。経験を積むことで、感触だけで痛い場所が分かるようになります。押さえて痛い場所を圧痛点といいますが、これを見つけるのがツボ探しの基本です。

しかし、押さえて痛いだけがツボにあらず。奥の深い世界です。