ネットを検索すれば大量に治療院の情報が出てくる時代です。しかし、情報が多すぎて、何をどう選んでいいのか分からない方も多いと思います。

今回は、整形外科(病院)、整骨院(接骨院)、鍼灸院、マッサージ、整体の特徴を整理してみました。

あなたに合うのは、どの施設?

■整形外科・・・骨、関節、筋肉の外傷(ケガ)を主に扱います。治療の手段としては、投薬、注射、リハビリ、手術などがあります。保険で治療を受けることができます。

■整骨院、接骨院 ・・・捻挫や打撲など、急性期(3ヶ月以内)のケガを主に扱います。医師とは異なり、保険で慢性症状(3ヶ月以上続く痛みなど)を扱うことはできません。緊急の場合を除き、骨折・脱臼は医師の同意を必要とします。

■鍼灸院・・・はり、きゅうの施術を行います。急性症状から慢性症状まで対応します。神経痛、リウマチ、五十肩、頚腕症候群、腰痛症、頚椎捻挫後遺症は、医師が同意した場合は保険を利用することができます。

■マッサージ院・・・主に皮膚の血液循環を改善することを目的とした手技治療です。関節の拘縮、筋肉麻痺などがあり、医師が同意した場合には保険を利用することができます。

■整体院・・・整体とは何かという明確な定義はありませんが、手技治療の一種です。公的な資格制度はありません。全て実費になります。

一般的に、病院・治療院にはこのような違いがあります。一見どこに行ってもそれなりに対応してくれそうに見えますが、得手不得手がそれぞれあります。

治療院の得手不得手

整形外科(病院)は、症状が病気から来ているのかどうかを診断できる唯一の施設になります。病気を疑う場合は、整形外科に行くことになります。しかし、整形外科医は筋骨格系の専門家であるため、それ以外に原因がある症状は専門外です。

整骨院(接骨院)は、ケガをして3ヶ月以内の捻挫や打撲などに対応します。「あの時にぶつけた」「あそこで捻った」というような、明確なキッカケがある痛みなら整骨院が選択肢に入ります。3ヶ月以上過ぎても治らないような痛みは、守備範囲から外れます。

鍼灸院は、急な痛み、長引く痛み、原因のよく分からない自律神経症状など、幅広く対応します。ただし、保険を使う場合には疾患が6つに限られます(神経痛、リウマチ、五十肩、頚腕症候群、腰痛症、頚椎捻挫後遺症)。またケガの場合は種類によって対応できないことがあります。

マッサージは、疲労や筋肉のこりからくる症状に適していますが、ケガの治療には向きません。また、免許を持っていないのに「○○マッサージ」などと称している施設もあるため、資格の有無に注意する必要があります。

整体院は、公的な医療資格ではありません。医学的な裏付けもあまりないので、特にコメントはしません。

まとめ

まとめると、病気かどうか確認するには整形外科、打撲や捻挫は整骨院、長引く痛み・原因のはっきりしない自律神経症状は鍼灸院、疲労や筋肉のコリにはマッサージ、というのが一般的な説明になります。ただし、守備範囲が重なっている部分もあります。

例えば、骨折は整形外科一択ですが、捻挫なら整形外科・整骨院・鍼灸院の3つが選択肢に入ります。急性腰痛(ぎっくり腰)では整形外科・整骨院・鍼灸院・マッサージの4つが対応しますが、慢性腰痛の方が病院以外で保険による施術を受けようとした場合などは、鍼灸院に限られます。

こうした基本を知った上で、各院それぞれに特色がありますので、よく吟味していただくといいでしょう。

<参考>
日本整形外科学会
日本柔道整復師会
日本鍼灸師会
日本あん摩マッサージ師会
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて 厚生労働省