腰痛のポイント

  • 多くの腰痛はケガではなく、体に損傷は起きていない。
  • 骨や姿勢のゆがみは腰痛とは関係ない。
  • ストレスの影響で痛みが治りにくくなる。

腰痛の多くは、腰の筋肉にけいれん・血行不良が起きている可能性があります。

病院では主に、鎮痛薬やリハビリによる治療が行われています。

自力で取り組むのであれば、安静にしないこと、なるべく普段どおり生活すること、ストレスとの付き合い方を勉強すること、などが対策になります。

では、そんな腰痛に対して、鍼灸の有効性はどうでしょうか。

ガイドラインで認められている鍼灸

海外の腰痛診療ガイドラインにおいて、鍼灸は有効性を認められています。
Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians.

これによると、急性・亜急性・慢性いずれの腰痛においても、鎮痛剤より先に行うべき治療として鍼灸が推奨されています。

理由としては、鍼灸は一般的な鎮痛薬よりも有効性が高いこと、副作用などのリスクが低いことです。

WHOは腰痛治療の選択肢として鍼灸を挙げている

WHOマーク

WHO(世界保健機関)が2019年に出した腰痛の解説があります。
Care for low back pain: can health systems deliver?/WHO

その中で、鍼灸は理学療法・心理療法と並んで、腰痛治療の選択肢として挙げられています。

腰痛に対する鍼灸は、医学的にコンセンサスが得られてきていると考えられます。

ドイツで保険適用される鍼灸

ドイツでは、慢性腰痛と膝痛に対する鍼灸が公的保険の対象になっています。

臨床試験の結果、標準的な医療より鍼灸の方が有効性が高かったのが理由です。

鍼灸は通常医療より有効
臨床鍼灸研究の現状─コクランライブラリーを参照として─

「鍼治療(真の鍼治療、偽鍼いずれも)は、通常治療のほぼ2倍の効果があった。これらの結果に基づいて、鍼治療は現在ドイツの公共医療として認識されている。」
全日本鍼灸学会 国際シンポジウム 腰痛症総論

少し補足

臨床試験は本物の治療とニセの治療(シャム)を比べて、結果に差が出るかを調べます。

鍼灸は本物とニセ物で差が出ないことが多く、プラシーボ効果にすぎないと結論されることがあります。

しかし、鍼灸のニセ治療として使われているのは、ツボの位置からずらして刺す、浅く刺す、皮膚表面の刺激に留める、などの方法です。

いずれも普通に行われている鍼灸の方法でしかなく、人体に効果を及ぼしてしまいます。

つまり、本物とニセ物で差がないのではなく、2つの本物を比べて差がなかっただけです。

薬のように人体に影響しないニセ物を用意できないので、他の一般的な治療と比較しないと効果が見えてこないという難しさがあります。

まとめ

このように、鍼灸の有効性は臨床試験によって確認され、医学の専門家や国際的な機関が有効性を認めています。

腰痛でお困りの際は、鍼灸をご検討ください。

参考⇒腰痛の原因と治し方(まとめ)