東洋医学では、生命活動を支える重要な内蔵のことを五臓と呼びます。五臓は、肝心脾肺腎です。

五臓はそれぞれ、さまざまな組織・器官を支配していると考えられています。肝は筋、心は血脈、脾は肌肉、肺は皮毛、腎は骨を支配しています。五臓に何か問題があると、関連する組織・器官にも影響が出ます。

ぱっとイメージが湧きにくいかもしれませんが、現代医学的に関連を考えてみると、以下のようになります。

肝臓は栄養の貯蔵、解毒、胆汁の分泌などを行っています。全身の筋肉はこれと似た作用を持っているので、第二の肝臓と呼ばれることがあります。具体的には、アンモニアの無毒化、グリコーゲンの貯蔵を行っています。

心臓は、心筋という特別な筋肉で出来ていて、全身の血管に血液を送り出しています。また見方を変えれば、心臓は血管そのものでもあります。

脾は今でいう膵臓にあたり、消化液を作って食べ物の消化吸収に関わっています。肌肉とは皮下脂肪を含めた結合組織のことで、暴飲暴食で脾に負担をかけていると、自然と肌肉(皮下脂肪)が増えてくる、という話になります。

肺は皮膚や体毛をつかさどります。呼吸器系のトラブルとは、気道粘膜のトラブルが主になりますが、粘膜はそのまま地続きで体表の皮膚につながっています。体の外側と内側の違いはありますが、外気との境界という意味では同じになります。

腎臓は、骨を作るカルシウムと関係があります。カルシウムの吸収に必要な活性型ビタミンDは腎臓で作られますので、腎臓の働きが落ちると骨が弱くなるわけです。