坐骨神経痛という診断名を見ると、神経痛とあるのだから神経に問題があるのだろう。そう考えることは、仕方のないことだと思います。しかし、坐骨神経痛は神経そのものに問題はありません。

神経に問題があるとは、どういうことか考えてみましょう。

神経とは、体のあらゆる所から発信される電気信号を伝えるケーブルです。例えば、私たちが痛みを感じるときは、まず体のどこかの痛みを感じるセンサーが作動して電気信号が発信されます。

電気信号は、神経ケーブルを通じて脳に伝えられます。脳は、神経から電気信号を受け取って、はじめて痛みを知覚します。最終的に痛みを感じているのは脳になります。

神経に異常があると、電気信号が伝えられなくなりますので、痛みの信号は脳まで届かないことになります。もし、あなたが痛みを感じているのなら、それは神経が正常に痛みの信号を伝えているということであって、神経そのものに問題はありません。

坐骨神経痛は、坐骨神経が走る領域に痛みが出ます。それは、坐骨神経そのものに問題があるからではなく、その領域にある痛みのセンサーが作動しているからです。また、しびれが出ている場合は、しびれのセンサーが作動しているということです。

治療をするには、センサーが作動している原因を解決することです。