いつも当院をご利用いただきありがとうございます。当院の治療をご経験の方は、私がいつも念入りに脈診をしているのをご存知だと思います。今日はその脈診について書いてみます。

脈診というのは、その通り、手首の脈の打ち方によって、心身の状態を知ろうとするものです。これによって、発熱しているのか、冷えているのか、臓腑の働きはどうなのか、どこがこっているのか、様々な情報を得ています。こう書くと、何か特殊なことをしているように思われるかもしれません。古代の人々が発見した偉大な知恵です。

脈の早さ

風邪を引いて熱があるとき、心臓の鼓動は早くなるのが普通です。反対に、体が冷えているときは、脈は遅くなります。体温と脈の早さは関係があります。また、体温計で計っても熱がないのに、のぼせたように感じる虚熱(きょねつ)も脈の早さに関係します。

脈の太さ

今度は体が熱を持っている場合ではなく、外が暑い場合です。サウナに入って汗をかいているようなとき、脈は太く広がります。もしくは、思い切り走った後の脈も、太く広がり勢いよく拍動します。心臓に負荷がかかると、脈は太く勢いよく拍動します。もし、安静に横になっているのに太く強い脈を打っていたら、心病を疑います。

脈の硬さ

気持ちがリラックスしているときや、体がどこかだるい時、脈は軟らかく打ちます。気持ちが緊張しているときは、脈の感触は硬くなるものです。血管の緊張は、自律神経の緊張がダイレクトに反映されますから、脈を診ると自律神経のバランスがよく分かります。

脈の深さ

体の具合が悪いとき、どの深さに問題があるのかを脈の深さで知ることができます。皮膚の表面や、気管粘膜などの調子が悪いとき、脈は表面の浅いところで感じられます。手首にごく軽く指を触れただけで感じる脈です。内蔵など深いところの調子が悪いときは、表面ではあまり脈を感じず、強く押さえてようやく感じられる脈になります。

あまり詳細に書くとマニアックになってしまうので、ほんの入り口だけですが、脈診についてご紹介しました。何となくでも、「あー、こんなことしてたのか」と思っていただければ幸いです。

続き⇒脈診はツボを探すセンサー