今読んでいる本に興味深い記述がありましたので、ちょっと早いですが花粉症の話題です。
花粉症は、花粉に対する免疫反応です。
鼻水やくしゃみは花粉を追いだそうとする体の反応です。
花粉症になると、耳鼻科で薬をもらうわけですが、こうした薬は基本的に免疫を抑えるように働きます。
いわゆる抗ヒスタミン薬というもので、その名の通りヒスタミンを効かなくします。
花粉がやってくると、体の細胞からヒスタミンが放出されます。
このヒスタミンが、花粉症の諸症状を引き起こすのですが、抗ヒスタミン薬はこのヒスタミンを働きを止めてしまいます。
その結果、一時的に花粉症が治まります。
しかし、問題はここからです。
花粉症の症状は、そもそも花粉を体内から追いだそうとする反応でした。
なのに、ヒスタミンが止められてしまっては、花粉を追い出せません。
すると、次はもっとたくさんのヒスタミンを出すようになり、花粉症は悪化してしまうのです。
だんだん薬が効かなくなってしまい、より強い薬が必要になるメカニズムがこれなんだそうです。
力づくで押すと押し返される。
生命というのは一筋縄ではいきません。
しかし、これを逆手に取ることも出来ます。
それが鍼灸治療です。
仮にですが、花粉症の不快な症状をプラスとしましょう。
症状があるということは、体のバランスが崩れて、どこかがプラスになっているということです。
それが今回は花粉症であり、くしゃみ・鼻水だと考えます。
すると、必ずどこかにマイナスがあるはずです。
マイナスとは、原因のことです。
ただプラスだけがあって、マイナスがないということはありません。
そこで、鍼灸治療ではプラスである症状を見ながら、マイナスである原因を探します。
マイナスにアプローチして、マイナスをなくしてしまえば、自動的にプラス=症状もなくなる。
プラスマイナスゼロが健康であり、症状のない快適な状態。
それが鍼灸治療のバランスの考え方です。
ここで症状だけを見ていると、原因を見落とすことになります。
花粉症でしたら、原因である免疫のバランスを見落とすことになります。
もし毎年、薬を使っていて効果が薄いようでしたら、鍼灸も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
参考にしてみてください。
読んでいた本「動的平衡2」著:福岡伸一
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