鍼の刺法には、いろいろなバリエーションがあります。その中から、当院でもよく使う代表的なものをご紹介します。
速刺速抜
鍼を素早く数ミリ入れたあと、すぐに抜く方法です。浅い部位に気が停滞しているときに、逃げ道を作ってガス抜きするときに使います。
置鍼
鍼を刺したまましばらく時間を置く方法です。鍼の方向、深さ、時間によって意味合いが変わります。当院で一番多く用いる方法です。主に補法といって、気を補うために使っています。リラックス効果も抜群です。
接触鍼
鍼を刺さず、鍼の先を皮ふに当てるだけの方法です。皮ふが過敏な方や、体力が落ちていて浅く刺すことでも体力を奪ってしまうような時に使います。鍼刺激というよりは、生体電流の調整といった意味合いが強いといえるでしょう。
超浅刺(超旋刺)
接触鍼に似ていて、皮ふに軽く鍼を当てるのですが、そこから捻りを加えて極々浅く刺入します。かなり応用範囲の広い手法で、局所のこりの緩和から遠隔治療まで使えます。首藤傅明先生が考案されました。
速刺徐抜
筋肉の深いところにある硬結を取るときに使います。硬結に触れるところまでしっかり鍼を入れた後、捻りながら少しずつ抜いていきます。深い部分のこりを散らして均一にするのに有効です。
他にも細かく分けると沢山あるのですが、代表例としてご紹介しました。最近は、置鍼を少し減らして、刺激方法を工夫しています。より良い治療のために、少しずつ試行錯誤です。
- 投稿タグ
- 東洋医学