腰痛の対策として使われることの多いコルセット。もしかすると、コルセットを使うことで、腰痛が早く治ったり、腰痛を予防できるというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
コルセットは腰を固定する装具です。固定は外傷の対策としては間違いではないのですが、腰痛の対策として正しいとはいえません。
なぜなら、多くの腰痛は外傷ではなく、腰に組織損傷などは起きていないからです。そのため、ケガと同じような対処をしても、多くの場合メリットはありません。
コルセットの有効性を示す根拠はないようです
・腰部コルセットや腰部サポートベルトは腰痛の予防法として勧めない。(ヨーロッパガイドライン)
European guidelines for prevention in low back pain : November 2004.
・コルセットを推奨する根拠は不十分。(アメリカガイドライン)
Diagnosis and Treatment of Low Back Pain: A Joint Clinical Practice Guideline from the American College of Physicians and the American Pain Society
・コルセットの効果は依然として不明である。(コクラン)
Lumbar supports for prevention and treatment of low back pain.
(コクランはイギリスに本部を持つ組織で、臨床試験の情報を収集・分析して発表しています)
・コルセットは予防において効果的ではないという強い根拠がある。
Preventive interventions for back and neck pain problems: what is the evidence?
・コルセットは欠勤日数を減らさない。体幹筋への影響もない。
Lumbar supports and education for the prevention of low back pain in industry: a randomized controlled trial.
このように、文献を見てみてもコルセットにメリットはありません。また、コルセットを使うことで筋力が低下するというようなデメリットもないようです。
コルセットに腰痛の治療や予防といった効果は期待できません。しかし、コルセットで一時的に動けるようになるのであれば、使用を中止しなくても大丈夫です。長期にわたって使い続け、コルセットに依存してしまうことは避けるべきですが、動けないよりは動けた方がいいでしょう。
痛みが減ってきたら、徐々に外していけば問題ありません。
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