治療家という言葉、非常によく目にするのですが、実はこれという定義がありません。

単純に治療する人と解釈すると、子どもの擦りむいたヒザに母親が絆創膏を貼っても治療家になりそうです。しかし、これだけで治療家とは呼びません。収入の有無というのは一つの判断材料になるでしょう。治療家とは、治療のプロという話です。

治療家という言葉は、医業類似行為に携わる人、という意味合いで使われることがあります。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師といった国家資格の他、整体師、カイロプラクターといった公的な資格制度のない業種も含め、まとめて治療家と呼ぶ場合があります。

複数の治療法を扱う場合に、治療家という言葉は便利な場合があります。鍼灸師であっても、整体などを合わせて行っている場合だと、鍼灸師より治療家と名乗った方が伝わりやすいということは考えられます。

治療家と似た言葉に、治療者があります。治療者は、医療の枠組みのなかで、治療を行う者を指します。その代表は医師ですが、自分で治療家を名乗る医師は珍しいと思います。医師免許を持っていれば、医師と名乗るのが普通です。

医療者という言葉もあります。医師以外にも、看護師、理学療法士などさまざまな職種が医療に関わっています。しかし、彼らも医師と同様に、資格名をそのまま名乗るのが普通で、治療家と名乗ることは少ないでしょう。名乗ってはいけないという決まりもありませんが、一般的ではありません。

私の場合だと、はり師・きゅう師の国家資格を持っていますので、鍼灸師と名乗ります。治療家と名乗るのはしっくりきません。このあたりは個人の感覚になってきます。

治療家は曖昧な言葉です。しかし、それゆえ便利な言葉でもあるので、よく使われます。名乗るかどうかも自由です。この言葉を見かけたら、どういう意味合いで使っているのか、少し注意して見てみるといいかもしれません。