運動しているときや夜に眠っているとき、急にふくらはぎに痛みが走る「こむら返り」。腓腹筋という筋肉が引きつって起こる症状です。冬になると、こむら返りを起こしやすくなります。

原因の一つは足の疲労です。筋肉は疲れがたまってくると、けいれんを起こしやすくなります。これに加えて、冷えの影響で筋肉の血行が悪くなるとなおさらです。自律神経の緊張も関係してきます。

夜中に足がつるのは、寝ているときは筋肉の血行が少なくなるからです。普通は問題ないのですが、疲労や冷えなど他の要因が重なると、夜中に突然の痛みが走って驚くことになります。

こむら返りを起こしたら、引きつっている筋肉を伸ばして対処します。できるだけヒザを伸ばしながら、つま先を持って手前に引きつけて腓腹筋を伸ばします。5~10秒ほど引っ張れば、けいれんはおさまって痛みも消えてくれます。

こむら返りの症例

62歳 女性
冬でなくても、夜中にこむら返りをよく起こすとのこと。脈を診ると肝虚証です。肝は筋をつかさどりますので、肝の働きが衰えるとこむら返りを起こしやすくなります。

また、寒くなくても足がつるとなると、自律神経のアンバランスが疑われます。交感神経の緊張が強まると、筋肉は硬くなり、血行も悪くなります。こういう場合、寝ても疲れが取れにくいといった症状も出てきます。

治療穴は曲泉、陰谷、肝兪、腎兪に補法。ふくらはぎの飛陽をしっかり緩めます。この治療を数回行ったところ、こむら返りを起こさなくなり、非常に喜んでいらっしゃいました。

もし、こむら返りでお困りでしたら、お近くの鍼灸院へご相談ください。