鍼灸治療は、自律神経に作用しますが、これは免疫にも効果があるということです。

免疫というのは、病原菌などから体を守る働きのことで、主に白血球が働いています。鍼灸治療をすると、この白血球が増えますので、これだけでも免疫力が上がるという話になります。しかし、これだけではありません。

免疫をになう白血球には、大きく2種類あります。顆粒球とリンパ球です。どちらも体にとって大切な白血球なのですが、ただ多ければいいというものでもありません。それぞれのバランスが大切になります。

ストレスが過度にかかると、自律神経は交感神経優位に傾いていきます。すると、白血球のバランスもくずれていくのです。具体的には、顆粒球の割合が増えていき、リンパ球の割合は減っていきます。高血圧、糖尿病、ガンなどの生活習慣病のリスクが高い状態です。

逆に、副交感神経優位に傾いていくこともあります。今度は、リンパ球が増えていき、顆粒球は減っていきます。いつも眠気があったり、体がだる重かったり。アレルギー症状も悪化しやすい状態です。

鍼灸治療は、こうした免疫のアンバランスに、自律神経を介して作用します。つまり、片寄った自律神経を調えることで、顆粒球とリンパ球のバランスを、正常に近づける効果が期待できます。