東西医学の特徴

医学には大きく分けて、西洋医学(現代医学)と東洋医学があります。

西洋医学は病院でされている医療ですね。
さまざまな薬を使ったり、機械を駆使したりします。
また手術という、体の内に直接アプローチする手段を持っています。

東洋医学にも薬はあります。
漢方薬と言われているものがそれです。
また鍼灸によって、体を外から治療することに長けています。
診察も、顔色や脈など、体の外から見て分かる情報を駆使するのが特徴的です。

西洋医学は、まだ生まれてから100~200年くらいです。
今も研究が行われている発展途上の医学です。
その理論は10年もすれば、新しいものに次々と書き換えられていきます。

東洋医学は、誕生してから何千年経ったか分かりません。
現存している書物では2000年以上前のものがあって、そこにはある程度完成された理論体系が記されています。
その理論が少しずつ形を変えて今に伝わっています。

西洋医学は今も発展途上ですから、次々と新しい問題が生まれます。
効くと思っていた薬が体に悪いことが分かったり、正しいとされてきた治療法が思い込みであったり。
様々な矛盾を生み出しながら発展を続けます。
勉強する人は、常に最新の医学を学ばなければなりません。
勉強を止めてしまうと、すぐに時代遅れになるのが西洋医学です。

東洋医学は、基本的にはもう完成されています。
しかし、東洋医学数千年の知識は膨大な量ですから、勉強は生涯にわたります。
どれだけやっても学び終えることがありません。
東洋医学の理解度が実力差として現れますから、基本原則だけで満足するわけにいきません。
基本から応用、総論から各論へと無限に続きます。

得手不得手

東西医学には、それぞれ得手不得手があります。

西洋医学は、目で見て分かるものを治すのは得意です。
骨折は言うに及ばず、ガンにしても手術という最終手段をもっている西洋医学は強いです。
しかし、異常は見つからないけれども具合が悪いという疾患は苦手です。
異常がないのですから、原因が分からず、打つ手も見つかりません。
また、薬による治療は確率による所が大きくなります。
頭痛にはAという薬が何%の確率で効く。
効かなければ、Bが何%の確率で効くからBに切り替える。
そういうロジックです。
効かない時に、なぜ効かないかは分かりません。
西洋医学は例外に弱いという側面があります。

東洋医学は逆に、物理的な障害は苦手です。
治せるものもありますが、総合的に見れば時間がかかります。
しかし、異常は見つからないけれど具合が悪いという場合には真価を発揮します。
頭痛でも、ただ頭痛と見るのではなく、この人の頭痛として見ます。
一人一人、治療内容は変わりますが、確実にピンポイントで狙って行きます。
効かなければ、診察所見→理論→配穴→手技と流れを検証して、間違いを探すことが出来ます。
しかし、治療者の実力による所が大きいので、どの先生でも同じ治療というわけにはいきません。
ピンからキリまでといいますが、その開きが西洋医学よりも大きいのが東洋医学です。
治らない時の原因はただひとつ、施術者の実力が足りていないのです。

東西医学、どちらも一長一短あります。
両方の特徴を知った上で使い分けるのが理想ですが、「病院でダメなら東洋医学」と覚えていただければ幸いです。