このところ、水素水というワードをネットでよく見かけます。大抵は批判的な記事です。批判が強いということは、それだけ世の中にたくさん出回っているということでもあります。
そんな中、今度は水素灸なるものが目に入りました。鍼灸の世界にも水素が入ってくるとなると、さすがに気になったので調べてみました。
水素水について
とはいえ、これまであまり興味がなかったので、水素水にしても知識が不足しています。まずは水素水から調べてみました。
色々なところで水素水の記事がありましたが、参考に一つご紹介します。
FOOCOM.NET
水素水、「ニセ科学」と切り捨ててはいけないが、エビデンスありとは言い難い
http://www.foocom.net/column/editor/14366/
いまの時点では、水素水に効果があるかどうかはよく分からない、ということですね。飲むのは構いませんが、何か健康によい効果を期待できるかといえば、ノーとなります。
水素灸について
さて、次に水素灸です。こちらは、金属製の容器の中で水素を発生させて、容器の下に開けた穴から水素を皮膚に浸透させる、とうたっています。ほんのり温かいことから、灸の文字を入れたそうです。
しかし、自分が探した限りでは、エビデンスレベルの高い研究は見つかりませんでした。鎮痛効果試験の記事もありましたが、被験者の数が少なく、対照群もない試験であるため、あまり参考になりません。
温かいということは、温灸と同じような作用は期待してもいいのでしょう。しかし、皮膚からどの程度の水素が吸収されて、どの程度の効果を上げるのかは分かりません。普通のお灸と比較したときに、水素灸の方が優れているのかという点も不明です。
これならば、普通のお灸を使う方がずっと良いと私は判断します。なんといっても、これまでなされてきた研究の量が比較になりません。医療に大切なのは目新しさではなく、科学的な根拠ですから。