A 法律で書いてはいけない決まりになっているからです。

私たち鍼灸師は、はり師、きゅう師という資格を持っています。
この資格は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(通称:あはき法)」によって、広告の規制を受けます。

第七条 あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。
一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二 第一条に規定する業務の種類
三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
四 施術日又は施術時間
五 その他厚生労働大臣が指定する事項

参考:http://www.houko.com/00/01/S22/217.HTM

この条文に書いてあること以外は広告してはいけない、というルールになっています。

そのため、「肩」「腰」とか、「自律神経を整える」とか、「料金 ○○円」などを店頭に表示することができません。

料金はホームページでご確認ください

料金などを確認したい場合は、その鍼灸院に電話して尋ねるか、ホームページなどをご確認ください。ホームページは広告ではなく広報と見なされますので、広告規制を受けません。とはいえ、景品表示法などの規制は受けますので、誇大広告の類はアウトになります。

こうしたルールは医療系の国家資格においてほぼ共通です。病院や町のお医者さんが、「注射1回5000円のところ、今だけタイムセールで3000円!」などと書いていたら、びっくりすると思います。そんな商売気が全面に出ている医療機関なんてありません。そういうルールなのです。

有資格者が料金などを店頭に表示している場合は、普通に違法になります。そういう院を目にすると私などは「怪しい」と考えてしまうのですが、一般の方々からしてみると「分かりやすい」と感じるかもしれません。利便性と医療としてのあるべき姿。難しいですね。

店頭に値段が書いてあったら無資格

しかし街を見てみると、マッサージ店や整体院など、店頭に料金を書いているところがたくさんあります。いわゆるリラクゼーション系の施術所・サロンです。そうした店舗では、いわゆる治療や医療を受けることはできません。あくまでリラックス・慰安目的になります。

仮に、「つらい肩こりに!」と書いてあっても、肩こりに何なのか書いていないのがポイントです。治療するとも治すともいっていないのです。ちょっと前に水素水の効能は「ノドを潤すことです」というメーカーの回答が話題になっていましたが、巧みな表現にはご注意ください。

脱線気味ですが、治療院の料金を調べるときは、「治療」を受けたいのか、「リラクゼーション」を受けたいのかも合わせてお考えいただくといいのではないかと思います。

参考になりましたら幸いです。

値段