東洋医学では、気は…
- 目には見えず、流動的で様々な作用を起こす
- この世界の現象は全て、気によって引き起こされる
- 気は集まって物質になる
こういうものだと言われています。
これを見ると何でもアリですが、よく考えてみると、これって原子(又は微粒子)かもしれませんね。原子も目に見えませんし、エネルギー(波)としての性質を持っていて、集まることで物質となります。
しかし、本当に気=原子だったとしても、鍼灸治療の効果を説明することはできません。「鍼は原子に作用して病を治す」では、何の説明にもなりませんからね。
言ってしまえば、気とは昔の人の想像の産物なのです。顕微鏡も何もない時代、人には与り知れない何かが作用して治療が成り立っている事実を気の働きだと考えたのですね。
ですから、気は本当にあるのかと聞かれたら、私はこう答えます。
「気は逆説的に存在します」と。
つまり、気があるという前提に立って治療を行うと効果がある。この意味において、気は存在するわけです。鍼灸で使う気の法則・陰陽五行論は数学の公式みたいなものです。気や陰陽は具体的な何かを指す言葉ではなく、公式を解いた結果出る答え=治療法を導くための記号なのです。このくらい割り切って考えると、東洋医学理論ももっと理解されるのではないかなぁと思います。
もっとも、空想にしては余りにもよく出来た理論ではありますが。
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