今日はパニック発作についてです。
例えば、山道を歩いていて、突然クマに出くわしたとしましょう。大変な恐怖を感じるわけですが、このとき体には様々な変化が起こります。
まず呼吸が速くなります。速くなりすぎて過呼吸を起こすこともあります。心拍数と血圧が増大し、筋肉の緊張が高まります。皮膚への血流は低下し、顔面蒼白となります。発汗が増えます。消化器系の働きは抑えられ、唾液の分泌が止まって口が乾きます。
また、脳内ではエンドルフィンという物質が放出され、痛みを感じにくくなります。思考が硬直して、いま直面している危険と、そこから逃れることしか考えられなくなります。記憶力が低下し、過去のことを思い出すことも難しくなります。
これらの変化は交感神経の過度な興奮によるもので、「逃走か闘争反応」とも呼ばれます。いまある全ての力を投入して、危険から逃れるためのメカニズムです。
こうした極端に強い反応が日常生活の中で起きてしまうものを「パニック発作」と呼びます。パニック発作は、強い恐怖・不安が原因で起こります。