「世界は分けてもわからない」

私が初めて読んだ福岡伸一博士の本。特に前半が気に入っていて、ときどき読み返してしまう本です。

日本語が読みやすい!というのが第一印象。そして、その科学でありながら、東洋医学的な捉え方に感動したものです。

一見、科学雑学をちりばめて書かれているようでありながら、やがて独自の生命観へとつなげていく。その教養の深さにはうなるばかりです。

世界は分けないことにはわからない。しかし、分かったと思った関係性も、多くは人の妄想にすぎない。ミクロな解像度で見ることと、全体を俯瞰することは同時には達成できない。そのことに自省的でありながら、その二つを行ったり来たりすることが、世界に対するということ。

もしまだ読んでいないなら、太鼓判を押してお勧めします。