症例 長時間の運転による腰痛
1回目
男性、53歳
仕事の関係で、夜間に10時間以上かけて車を運転して移動した。
帰宅後、3時間だけ眠りはしたが、極度の疲労と痛みがある。
主に腰痛だが、全てがつらい。
かなりの無理をされたようです。
問題は、いま出ている辛さが、おそらくピークではないことです。
いまはまだ、睡眠不足もあって体が休まっていません。少し寝たくらいでは、体の興奮状態が収まってくれません。
この後、本格的に休息状態に入り、そこでピークの痛みがのしかかってくる流れになると予想されます。
走っている最中より、走り終わった後の方が辛いのと同じ話です。
ここまで疲れていると、その波がすぐに来ないでしょう。
すでに相当辛そうですが、これで終わるとは思えません。
まだ表面化していない症状を先回りしておきたい。
広くとるしかなさそうです。
脈診、不整脈。この方は、もともと疲労・ストレスがたまると不整脈が出ていましたが、それがはっきり出ています。六部定位で左の関上・尺中がほぼ感じない。
全身調整、太谿、関元、三陰交、足三里。
痛む部位に刺鍼する。かなり広範囲。側頭部・首・肩・背中・腰・足、、とはいえ、浅く。体力を奪わないように。
どう動かしても痛いので、検査法に意味がない。しかし、大腰筋が痛みに関わっていないはずがありません。
長めの鍼で大腰筋だけは深く緩めます。
施術前と比較して、はっきり改善している。
「次、出てきたところを叩いてもらえれば」とは患者さんの弁。
よくご理解いただいているようです。
2回目(前回の5日後)
ぎっくり腰のような痛みが前日から強まって、今日の昼にピークに達したとのこと。
思ったより遅めに出てきた痛みのピーク。
他の要因があったかもしれませんが、不明。
主に、上体を前に傾けると痛む。
脈診、幸い不整脈はない。左尺中が感じない。関上はまだ感じる。前回よりは改善している。
全身調整、太谿、関元、足三里。
痛みの強い腰背部、頚肩部に刺鍼。痛みが下方に移動したので、追いかけて、大転子周囲※まで緩める。
(※大転子:太ももの骨のつけ根で、骨が外に張り出している部分)
ご本人いわく「何とかなりそう」
3回目(前回の2日後)
痛みが右太もも(外側広筋)に出る。
痛みのピークが腰と同時には来なかったようです。
そして、ピークと思われた2日前よりも、今の方が痛みが強い。
痛む大腿外側に重点的に刺鍼。
腰の外方に動作で痛む場所があり、強い圧痛が出ていました。刺鍼。
かなり痛みを減らすことができました。
4回目(前回の翌日)
太ももの痛みは全くないとのこと。
しかし、座るときに腰が痛い。
IDストレッチで確認したところ、大腰筋・腸骨筋に問題が残っていました。
長めの鍼で、大腰筋を直接狙います。
著効。
これで、症状が消えました。
振り返ると、1回目で出ていた痛みと疲労を全体的に緩和。
その後、やってきた痛みのピークに、腰→大腿→腰の深部という順で対処して解決したという流れです。
患者さんにも、大変喜んでいただけました。
急性腰痛に4回かかったのは、おそらく初です。
しかし、無事に改善できてよかったと思います。



