うらさき鍼灸院 京都府 向日市 https://urasaki-harikyu.com 京都府向日市の「うらさき鍼灸院」です。阪急東向日駅西口すぐ。肩こり・腰痛・五十肩・坐骨神経痛・自律神経失調症など、お気軽にご相談ください。 Wed, 20 Mar 2019 10:30:54 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.1.1 https://urasaki-harikyu.com/wordpress/wp-content/uploads/urasaki_favicon.jpg うらさき鍼灸院 京都府 向日市 https://urasaki-harikyu.com 32 32 Q 鍼灸で健康保険は使えますか? 手続き、窓口料金、問題点など https://urasaki-harikyu.com/blog/insurance https://urasaki-harikyu.com/blog/insurance#respond Mon, 18 Mar 2019 04:56:24 +0000 http://urasaki-harikyu.com/?p=3902 A いくつかの条件を満たすと、保険(療養費)で鍼灸を受けることができます。

鍼灸で保険を使う場合は、「療養費」という制度を使います。
療養費とは、治療用装具(コルセット・サポーター)などと同じ枠組みで、申請すると後から費用が給付される形式です。

申請の方法は現在2つあり、どちらの方式かは保険者によって変わります。

※保険者とは、保険事業の運営団体のこと。⇔被保険者

償還払い ご自身で請求する場合

治療を受けて窓口で全額を支払った後、患者さんご自身で申請を出す方式のことを「償還払い」といいます。

ややこしいですが、一通り手順を書いておきます。

償還払い申請の手順(例)

保険が使える疾患

  • 神経痛
  • リウマチ
  • 頚腕症候群
  • 五十肩
  • 腰痛症
  • 頚椎捻挫後遺症(むちうち)
  • その他(慢性的な痛みのある疾患で、医師と保険者が認めたもの)

最後のその他は実質的に存在しませんので、6つの疾患に当てはまることが第一条件になります。
他の疾患では保険は適用されません。

ご自身が加入している保険者(保険運営団体)に鍼灸で保険を使いたい旨を伝え、療養費の申請用紙を手に入れておきます。
医師の同意書用紙を手に入れます。(鍼灸院にあります)

同意書の用紙を持って病院・医院へ行き、医師の診察を受けて、鍼灸を受けたい旨を伝え、同意書に記入してもらいます。
これが大きなハードルです。
同意書を書くなという通達が医師会から出されているそうで、なかなか書いてくれません。
かかりつけの内科の医師に相談するのがポイントだと思います。
同意書の発効には、千円~数千円の費用がかかります。

同意書を書いてもらえたら、2週間以内に鍼灸院で初回の治療を受け、領収書をもらいます。
保険者からもらった申請用紙に記入・押印して、必要書類を添えて療養費を申請します。

申請が認められれば、療養費が支給されます。
療養費は、鍼灸院の治療内容・金額設定とは無関係に以下のように定められています。

平成30年6月1日より

1 はり、きゅう
(1)初検料
① 1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1,610円
② 2術(はり、きゅう併用)の場合1,660円
(2)施術料
① 1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1回につき 1,540円
② 2術(はり、きゅう併用)の場合1回につき 1,580円
注 はり又はきゅうと併せて、施術効果を促進するため、それぞれ、はり又はきゅうの業務の範囲内において人の健康に危害を及ぼすおそれのない電気針、電気温灸器又は電気光線器具を使用した場合は、電療料として1回につき30円を加算する。
(3)往療料
2,300円
注1 往療距離が片道4キロメートルを超えた場合は、2,700円とする。
注2 片道16キロメートルを超える場合の往療料は往療を必要とする絶対的な理由がある場合以外は認められないこと。
(4)施術報告書交付料
300円
参照元

初診における、はりきゅう2術・電気加算の療養費は合計で3,270円、3割負担だと窓口料金が981円、保険者負担分が2,289円です。
2回め以降は、療養費の合計が1,610円、3割負担だと窓口料金が483円、保険者負担分が1,127円です。

再同意
医師の同意書は効力が6ヶ月です。
鍼灸治療を継続する場合、6ヶ月ごとに同意書を書いてもらう必要があります。

受領委任払い ご自身で申請しない場合

鍼灸院が健康保険の取扱をしている場合は、手続きを鍼灸師に代行してもらうことができます。
この方式を「受領委任払い」といいます。

保険による施術をどのように行っているかは鍼灸院によって違いますので、よくご確認ください。

例1
通常は1時間で5000円のところ、保険からの収入分を料金から差し引いてくれるケース。
5000-1127=3873 ⇒窓口負担 3873円(治療時間1時間、3割負担の場合、初検料別)

例2
保険(療養費)の範囲で可能な施術のみ行うケース。
1610×0.3=483 ⇒窓口負担483円(治療時間15分、3割負担の場合、初検料別)

受領委任払い申請の手順(例)

6疾患であることが第一条件です⇒神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫後遺症(むちうち)。

鍼灸院で同意書の用紙をもらいます。

同意書の用紙を持って病院・医院へ行き、医師の診察を受けて、鍼灸を受けたい旨を伝え、同意書にサインをもらいます。

保険証、印鑑、医師の同意書を持って、2週間以内に鍼灸院で初回の治療を受けます。

残りの申請は鍼灸師が代行してくれますので、継続して治療を受けてください。

同意書は6ヶ月ごとに更新する必要があります。
その都度、医師の診察を受けて同意書の発行を受けてください。

継続的にその鍼灸院で治療を受けると決めてから手続きすることをお勧めします。
治療を1回でやめてしまうと同意書の費用で赤字になるかもしれません。

また、保険者が不支給の判断をした場合、保険者負担分は施術を受けたご本人負担になることにご留意ください。

鍼灸の保険(療養費)の問題点

何といっても、同意書を書いてくださる医師が少ない。
これが大きなハードルとなっています。
同意書は、かかりつけ医か内科の先生にお願いするといいかもしれません。

また、療養費の支払いに応じるかどうかが保険者の自由となっているのも問題です。
申請しても認められない場合、裁判になるケースもあるようです。
その他、受領委任払いを認めない、つまり償還払いのみ可能な保険者や、鍼灸師会を通しての請求でないと認めない保険者もあります。
加入している保険者にご確認ください。

鍼灸で保険を使う場合、その疾患について医師の治療を受けていないことが条件になります。
例えば、腰痛症で医師から薬や湿布を出されている場合、鍼灸院で腰痛の治療を受けても保険は使えません。
「はり、きゅうの療養費の支給対象となる疾病は、慢性病(慢性的な疼痛を主訴とする疾病)であって保険医による適当な治療手段のないもの」と定められているためです。
ただし、傷病名が違う場合は使えます。

保険が適用される疾患が少ないのも問題です。
鍼灸でカバーできる疾患はもっと多いので、例えば変形性膝関節症などは正式に認められてもよいのではないかと思います。
今後の制度改正に期待したいところです。

以上、参考になりましたら幸いです。

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慢性腰痛の対策にはウォーキングがおすすめ https://urasaki-harikyu.com/blog/walking-for-chronic-low-back-pain https://urasaki-harikyu.com/blog/walking-for-chronic-low-back-pain#respond Wed, 06 Mar 2019 10:04:01 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6721 ウォーキング
今回は慢性腰痛に対するウォーキングについてです。

腰痛と運動については、これまでにも記事を書いているので、参考にしてみてください。

関連記事⇒運動が腰痛の治療になるってどういうこと?

慢性腰痛の対策はウォーキングがおすすめ

腰痛の診療ガイドラインでは、「痛めて日が浅い腰痛では、安静はほどほどにして普段通りの活動をすること」、「3ヶ月を過ぎるような長引く腰痛では、積極的に運動すること」が良いとされています。

運動といっても様々ありますが、その中でも簡単で費用のかからないものとして、ウォーキングがおすすめです。

痛いのに歩いて大丈夫?

多くの腰痛は、ケガによって痛みが出ているわけではありません。痛みを起こしているのは主に腰の筋肉ですが、肉離れのような筋繊維の損傷は珍しく、多くは筋肉のこり・引きつりによって起こります。

また、痛めてから3ヶ月も経つと、仮にケガだったとしても自然に治っているのが普通です。痛みを感じる脳が敏感になって、痛みの感覚だけが残っている状態ですので、腰に何か重大な問題が起きているわけではありません。

長引く慢性腰痛は、脳を運動で活性化させることで改善に向かうと考えられています。

ただし、歩くのもつらいほど痛む場合は無理する必要はありません。その場合は、動かせる範囲で体を動かせば十分です。

ウォーキングだけでOK?他にも運動した方がいい?

The effectiveness of walking versus exercise on pain and function in chronic low back pain:a systematic review and meta-analysis of randomized trials

ウォーキングと他の運動の効果を比べた研究によると、慢性腰痛の改善に差はなく、同じくらい改善していました。また、ウォーキングのみと、ウォーキング+他の運動とで比較した場合でも差はありませんでした。

絶対にウォーキングをしないといけないということではありません。簡単にできるのでおすすめということです。他にやってみたい運動があれば、それに取り組んでいただければOKです。

腰痛関連の研究としてよく出てくる運動は、他に筋力トレーニング、ストレッチ、太極拳、ヨガなどがありますが、楽しく続けられるものであれば何でも大丈夫です。

どのくらい歩いたらいい?

統一見解があるわけではありませんが、「30分~50分程度のウォーキングを週に2回以上」を目安にするといいかもしれません。

とはいえ、いきなり張り切って疲れてやめてしまうともったいないので、最初は10分でもいいでしょう。徐々に習慣にしていって、距離を増やしていくことをおすすめします。

先程の文献では、期間を短期(3ヶ月未満)、中期(3~6ヶ月)、長期(6ヶ月以上)で調査していますが、同じくらい効果的でした。

まずは3ヶ月続けることを目標にしてみてはいかがでしょうか。

関連記事⇒腰痛の原因と治し方(まとめ)

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腰痛でMRIを撮ってもレントゲン以上のメリットがない理由 https://urasaki-harikyu.com/blog/mri-merit-lbp https://urasaki-harikyu.com/blog/mri-merit-lbp#respond Wed, 30 Jan 2019 06:02:33 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6678 腰痛でMRIのメリットはあるか
腰痛で病院に行くと、レントゲン(X線撮影)だけでなく、MRIも撮る場合があります。

レントゲンよりMRIの方が詳しく腰のことが分かるのではないかと期待するわけですが、レントゲン1000円前後に対して、MRIは5000円~と費用が大きくなります。

では、MRIにそれに見合うだけのメリットはあるのでしょうか?

MRIとレントゲンに差はない

これを調べた研究があります。

アメリカのワシントン州で380人の腰痛患者を集め、レントゲンで評価するグループと、MRIで評価するグループに分け、12ヶ月後に腰痛の状態を比べました。

その結果は、身体障害、疼痛、全般的な健康状態において、レントゲンとMRIに差はありませんでした。

医師や患者はMRIを好むが、レントゲンをMRIに変えても患者の利益が増えることはほとんどないかもしれず、手術が増えるために治療コストが増加する。

Rapid Magnetic Resonance Imaging vs Radiographs for Patients With Low Back Pain

手術が増えたのに腰痛の改善度に差がないとなると、必要のない手術が増えてしまったのではないかと気になるところです。

腰痛はとても患者数の多い症状です。それだけに、腰痛にかかる費用は、医療費全体を大きく圧迫する可能性があります。

一方で、MRIを使うと腰痛疾患とは別の病気が偶然見つかることがありますが、その確率は1.6%という報告があります。

論文では、腰痛で早期からMRIを使用することは、今の時点では勧めないとしています。

MRIで幸福感が下がる可能性

別の文献です。

急性腰痛・坐骨神経痛の患者246人を集めて、2つのグループに分けます。

片方はMRIの結果を医師と患者の双方に伝えずにケアを行ったグループ、もう片方はMRI結果を伝えた上でケアを行うグループです。

6週間の保存療法を行い改善度を比べたところ、2つのグループに差はありませんでした。

また、MRIの結果を伝えたグループでは、患者幸福度が低下しました。

画像所見で何か分かっても治療の結果は変わらず、幸福感が下がるだけになることから、MRIは腰痛患者に対して明確な価値があるとはいえない

Acute low back pain and radiculopathy: MR imaging findings and their prognostic role and effect on outcome.

MRIに限らず、画像診断は何らかの疾患の可能性があるときに行うもので、とりあえず撮っておけば安心というものではありません。

骨の変形や椎間板の異常など、腰痛とは関係のない画像所見はたくさんあります。それらの多くは自然な加齢現象で、痛みを起こすものではありません。

MRIによって何か見つかっても、腰痛の改善につながるとは限らないのです。

知る必要のないことを知って不安が増えてしまう。場合によっては、その不安から痛みが強くなるリスクも考えられます。

重い疾患の可能性がないのに早期から画像診断を行うことは、海外のガイドラインでは禁止されていることでもあります。

参考ページ⇒腰痛の原因と治し方(まとめ)

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腰部脊柱管狭窄症でも手術はいらない? https://urasaki-harikyu.com/blog/lumbar-spinal-canal-stenosis-and-surgery https://urasaki-harikyu.com/blog/lumbar-spinal-canal-stenosis-and-surgery#respond Mon, 21 Jan 2019 06:18:27 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=5847 先日、椎間板ヘルニアは心配いらないことを説明しました。ではヘルニアと同じように、「神経の圧迫で痛みが出る」と説明される脊柱菅狭窄症はどうでしょうか。

目次

腰部脊柱管狭窄症とは

腰の神経は、背骨の脊柱管というトンネルを通っています。この脊柱管が骨の変形などで狭くなり、神経を圧迫するのが脊柱菅狭窄症といわれています。

脊柱菅狭窄症とは

脊柱菅狭窄症では、腰の痛み、足の痛みやしびれ、そして間欠性跛行(かんけつせいはこう)が特徴といわれます。跛行というのは歩行異常のことで、痛みのために連続して長く歩くことができず、休み休みになってしまう状態です。

一般的にはこのように説明される脊柱菅狭窄症ですが、実のところ明確な定義はありません。何をもって脊柱菅狭窄症と呼ぶのかはハッキリしていません。

腰部脊柱管狭窄症の定義は定まっていない

現在のところ,腰部脊柱管狭窄症の定義について完全な合意は得られていない.

現在のところその成因や病理学的な変化が完全には解明されておらず,定義についても上記のごとく,さまざまな意見がある.このため,腰部脊柱管狭窄症は複数の症候の組み合わせにより診断される症候群とするのが妥当である.原因が明確になれば,将来疾患として再分類あるいは再定義される可能性がある.
腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン 2011

ガイドラインでは、腰部脊柱管狭窄症の診断基準として、次のものを(案)として記載しています。

以下の4項目をすべて満たすこと
1、臀部から下肢の疼痛やしびれを有する
2、臀部から下肢の疼痛やしびれは立位や歩行の持続によって出現あるいは増悪し、前屈や座位保持で軽快する
3、歩行で増悪する腰痛は単独であれば除外する
4、MRIなどの画像で脊柱管や椎間孔の変性狭窄状態が確認され、臨床所見を説明できる

狭窄症で痛みがあるのは1割ほど

腰部脊柱管狭窄症の疫学 [特集:腰部脊柱管狭窄症の鑑別と保存的治療] 日本医事新報社

脊柱管が狭くなること自体は、そう珍しいことではありません。年齢を重ねるにつれて、脊柱管の狭窄も増えていきます。

第1腰椎~第1仙椎までの高さでは、中等度以上の狭窄は77.9%、重度のものだと30.4%の割合で見られました。第4・第5腰椎間では、高齢者の1/4に重度の圧迫が見られました。

ところが、中等度以上の狭窄がある人のうち、痛みなどの症状があるのは12.9%だけでした。大多数の方は狭窄があっても痛くありません。

腰部脊柱管狭窄と症状には関係がない

神経が圧迫されて痛みやしびれが出る。この説明はいたるところで使われますが、本当かどうか調べてみると、実は間違いであることが分かります。

腰部脊柱管狭窄症の患者100名をレントゲンやMRIで調べた研究では、脊柱管の狭まり方と症状には関係性が見られないことが明らかとなりました。

Lumbar spinal stenosis. Clinical and radiologic features.

脊柱管が狭くても平気な人もいれば、そんなに狭くなっていないのに辛い人もいるわけです。こうなると、腰部脊柱管狭窄症という診断名そのものに疑問が湧いてきます。

また、脊柱管狭窄症の特徴といわれる間欠性跛行ですが、狭窄があっても跛行が出ない人が普通にいます。その逆に、骨に全く異常がなくても間欠性跛行が出ることはあります。間欠性跛行が出るかどうかを脊柱菅狭窄の有無から知ることはできません。

そもそも、神経というものは圧迫したからといって痛みが出るというものではありません。マイクのコードを踏みつけても音が鳴らないのと同じ理屈です。

腰部脊柱管狭窄症の手術について

神経の圧迫によって痛みが出るのなら、物理的にその圧迫を取り除く手術にはすばらしい効果があるはずです。しかし、現実はそうはいかないようで、手術成績から考えても脊柱菅狭窄症そのものに疑問符がつく結果となっています。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術の成績について74件の論文を調べたところ、平均で患者の64%に有効だったことが分かりました。また、手術の結果を予想できる患者の特徴を見つけることはできなかったとしています。

Surgery for lumbar spinal stenosis. Attempted meta-analysis of the literature.

64%という有効率は高いものではありません。なぜなら、過去に医学界が無効と判定してきた治療法の平均有効率は70%もあったことが分かっているからです。70%も改善していてなぜ無効と判定されるのかといえば、プラシーボ効果(プラセボ効果)というものがあるからです。意味のない治療を受けても、それに反応して治してしまう力が私達にはもともと備わっています。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術が70%以下の有効率しかない。これは言ってしまうと、脊柱管狭窄は全く心配いらないもので、痛みとは関係のない手術だったのでプラシーボ効果を越えることがなかったのではないか、という話です。

The power of nonspecific effects in healing: Implications for psychosocial and biological treatments

脊椎固定術を行うべきではない理由

脊柱菅狭窄症の手術には、圧迫を取り除く除圧術の他に、脊椎固定術があります。しかし、アメリカの文献によると、固定術の実施が2002年から2007年の間に急増したこと、再手術の割合が高いこと、合併症が起こる確率が高いことなどが指摘されています。脊椎固定術はリスクが高く、また批判の多い手術でもあります。

Trends, major medical complications, and charges associated with surgery for lumbar spinal stenosis in older adults.

椎間板ヘルニアに対しても、椎弓切除術単独より、固定術を併用した方が有効率が低いという研究があります。
Lumbar laminectomy for herniated disc: a prospective controlled comparison with internal fixation fusion.

なぜか日本の腰痛診療ガイドラインでは固定術がフォーカスされていますが、腰痛・坐骨神経痛の治療には他に良い選択肢があります。痛みと関係のない骨の心配をするより、もともと持っている力で治すことを考えてみませんか?

参考⇒腰痛の原因と治し方(まとめ)

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スマホで例える腰痛の原因と対策 部品の故障だけが問題ではありません https://urasaki-harikyu.com/blog/smartphone-lbp https://urasaki-harikyu.com/blog/smartphone-lbp#respond Tue, 18 Dec 2018 05:10:25 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6537 今日は、スマホで例え話をしながら、腰痛について考えてみようと思います。

スマホで例える腰痛の原因と対策

ボロボロのスマホ

スマホが動かない!原因はなんだろう?

私達が普段使っているスマホですが、急に動かなくなると焦ります。あわてて原因は何かと考えるわけですが、パッと見て、画面にヒビが入っていたらどうでしょうか。落としたか、ぶつけた時に壊れたと考えると思います。

対処方法としては、スマホの修理店に持って行って、部品の交換なり修理なりをしてもらうことになります。実は、腰痛医療も昔はこれと同じ考え方をしていました。

腰痛は腰の部品に異常があるせいだから、それを修理すれば治るという発想です。

腰が痛い!動けない!

画像診断したらヘルニアがあった、こいつが原因だ!

ヘルニアを直せば腰痛も治るはず!

手術だ!

こういう考え方で昔は腰痛に対処していました。ところが、この考え方では治せない腰痛もたくさんありました。スマホでいえば、調べてもどこも壊れてないとか、壊れた部品を修理したのにまだ動かないという場合があるわけです。

また、まわりを見渡してみると、多少ヒビが入ったり、キズがついていても気にせずスマホを使っている人を見かけます。部品が壊れたら必ず動かなくなるというものでもありません。

部品の故障が全ての原因とは限りません。

部品の故障以外にも原因はたくさんある

では、他にどんな問題があるかというと、例えば電池切れだったり、アプリがバグってたり、通話料を払ってなくて止められていたりするわけです。部品の故障とは別の問題でスマホが動かないことも多々あります。

腰痛医療の世界でも、腰の部品のことだけ考えていたらOKという時代は終わりました。腰の異常が原因で腰痛になることはありますが、それ以外に原因があることもよくあります。いや、むしろその方がずっと多いというのが実情です。

例えば、腰は正常でも、ストレスによって腰痛になることがあります。そうなると、ストレスを引き起こす環境についても考えないといけません。これを心理社会的要因といいます。

生活習慣は?職場の環境は?家族との関係は?ご本人の考え方のクセは?食事・運動・睡眠・・いろんなことが出てきます。総合的に探っていって、複数の問題が浮かび上がることも珍しくありません。そこから、生活パターンを改善するとか、考え方を少し変えてみるなどの対策も出てきます。

いずれにせよ、「腰のことだけ考えていてもうまくいかない」というのが今の腰痛医療です。

あなたの腰痛は腰の異常が原因でしょうか。それは腰痛を引き起こすほどの問題なのでしょうか。腰以外に問題はないのでしょうか。気になる方は、お気軽にご相談ください。

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当院が患者さんの顔写真を掲載しない理由 https://urasaki-harikyu.com/blog/not-post-pictures https://urasaki-harikyu.com/blog/not-post-pictures#respond Tue, 27 Nov 2018 03:48:05 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6501 久しぶりに、私(浦﨑)が思っていることを書いてみようと思います。ホームページでの、患者さんの顔写真掲載についてです。

このホームページを見ていただければ分かる通り、私は患者さんの顔写真を掲載することは控えています。理由は、鍼灸師には守秘義務があって、患者さんの個人情報については伏せるのが当然だからです。顔写真は個人情報の最たるものでしょう。

症例、患者様の声についても、氏名などは伏せており、誰のことか分からないようにしています。

自分であれば、患者さんの顔写真がたくさん掲載されている院は、「自分も写真を撮って掲載されてしまうのではないか」と不安になります。おそらく掲載の承諾は取っていると思うので、法的な問題はないと思いますが、私のように警戒してしまう方もいるかもしれません。治療してくれている先生からの頼みは断りづらいことも考えられます。

もしくは、患者さんに写真を撮らせてくれと頼む理由が分かりません。体験談であればアンケート用紙で十分であり、写真が必要というのはホームページを見る人に強く印象づけたいということだと思います。つまり、営利目的という側面が強いのではないかと思います。

「各医療機関においては、営利を目的として、ホームページにより国民・患者を不当に誘引することは厳に慎むべき」
医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)厚生労働省

鍼灸院はここでいう医療機関には該当しませんが、補完代替医療といわれる鍼灸を医療に準ずるものと考えるならば、方向性を探る上で参考になります。「有名プロスポーツ選手の○○さんが来院しました!」なんて書く病院などありません。それと同じことです。

もちろん、同じ症状でお困りの方に、元気な姿を見せることは勇気を与えることにもなるでしょうから、顔写真の全てがダメとはいいません。

ただ、私はどうも納得できないのでやらない、という話です。

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治療院はどこに行けばいい?病院・整骨院・鍼灸院・マッサージ等 https://urasaki-harikyu.com/blog/how-to-choose-clinic https://urasaki-harikyu.com/blog/how-to-choose-clinic#respond Mon, 26 Nov 2018 10:03:40 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6483 ネットを検索すれば大量に治療院の情報が出てくる時代です。しかし、情報が多すぎて、何をどう選んでいいのか分からない方も多いと思います。

今回は、整形外科(病院)、整骨院(接骨院)、鍼灸院、マッサージ、整体の特徴を整理してみました。

あなたに合うのは、どの施設?

■整形外科・・・骨、関節、筋肉の外傷(ケガ)を主に扱います。治療の手段としては、投薬、注射、リハビリ、手術などがあります。保険で治療を受けることができます。

■整骨院、接骨院 ・・・捻挫や打撲など、急性期(3ヶ月以内)のケガを主に扱います。医師とは異なり、保険で慢性症状(3ヶ月以上続く痛みなど)を扱うことはできません。緊急の場合を除き、骨折・脱臼は医師の同意を必要とします。

■鍼灸院・・・はり、きゅうの施術を行います。急性症状から慢性症状まで対応します。神経痛、リウマチ、五十肩、頚腕症候群、腰痛症、頚椎捻挫後遺症は、医師が同意した場合は保険を利用することができます。

■マッサージ院・・・主に皮膚の血液循環を改善することを目的とした手技治療です。関節の拘縮、筋肉麻痺などがあり、医師が同意した場合には保険を利用することができます。

■整体院・・・整体とは何かという明確な定義はありませんが、手技治療の一種です。公的な資格制度はありません。全て実費になります。

一般的に、病院・治療院にはこのような違いがあります。一見どこに行ってもそれなりに対応してくれそうに見えますが、得手不得手がそれぞれあります。

治療院の得手不得手

整形外科(病院)は、症状が病気から来ているのかどうかを診断できる唯一の施設になります。病気を疑う場合は、整形外科に行くことになります。しかし、整形外科医は筋骨格系の専門家であるため、それ以外に原因がある症状は専門外です。

整骨院(接骨院)は、ケガをして3ヶ月以内の捻挫や打撲などに対応します。「あの時にぶつけた」「あそこで捻った」というような、明確なキッカケがある痛みなら整骨院が選択肢に入ります。3ヶ月以上過ぎても治らないような痛みは、守備範囲から外れます。

鍼灸院は、急な痛み、長引く痛み、原因のよく分からない自律神経症状など、幅広く対応します。ただし、保険を使う場合には疾患が6つに限られます(神経痛、リウマチ、五十肩、頚腕症候群、腰痛症、頚椎捻挫後遺症)。またケガの場合は種類によって対応できないことがあります。

マッサージは、疲労や筋肉のこりからくる症状に適していますが、ケガの治療には向きません。また、免許を持っていないのに「○○マッサージ」などと称している施設もあるため、資格の有無に注意する必要があります。

整体院は、公的な医療資格ではありません。医学的な裏付けもあまりないので、特にコメントはしません。

まとめ

まとめると、病気かどうか確認するには整形外科、打撲や捻挫は整骨院、長引く痛み・原因のはっきりしない自律神経症状は鍼灸院、疲労や筋肉のコリにはマッサージ、というのが一般的な説明になります。ただし、守備範囲が重なっている部分もあります。

例えば、骨折は整形外科一択ですが、捻挫なら整形外科・整骨院・鍼灸院の3つが選択肢に入ります。急性腰痛(ぎっくり腰)では整形外科・整骨院・鍼灸院・マッサージの4つが対応しますが、慢性腰痛の方が病院以外で保険による施術を受けようとした場合などは、鍼灸院に限られます。

こうした基本を知った上で、各院それぞれに特色がありますので、よく吟味していただくといいでしょう。

<参考>
日本整形外科学会
日本柔道整復師会
日本鍼灸師会
日本あん摩マッサージ師会
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて 厚生労働省

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負荷がかからないと、骨も筋力もどんどん弱ってしまう https://urasaki-harikyu.com/blog/weakens-without-load https://urasaki-harikyu.com/blog/weakens-without-load#respond Wed, 21 Nov 2018 03:42:06 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6474 宇宙飛行士のイラスト

これまで、腰に負荷をかけても心配はいらない、という方向で記事を書いてきましたが、今回はその逆。体に負荷が全くかからないと、どうなってしまうのか?という話になります。

負荷がないと骨も筋肉もどんどん弱くなる

体に全く負荷がない環境では骨も筋肉も急速に弱っていきます。

宇宙飛行士は、無重力という特殊な環境で生活します。体に全く負荷がかからないことは、健康によいどころか明確に悪影響があります。

宇宙では、地上で起こる骨粗鬆症の約 10倍の速さで骨量が減少するというのです。こうした変化は、無重力という特殊な環境だけで起こるものではありません。

ベッドで安静に寝ていること(安静臥床)でも、筋肉や骨はどんどん弱っていくことが知られています。寝たきりの生活だと、1年で24%も骨量が減ってしまうというのです。

長期臥床と宇宙飛行の骨量減少リスクの予防

私が鍼灸学生の頃、聞いた話をひとつ。

健康な大学生を2週間、ベッドで寝たきりにして筋力がどのくらい下がるか調べたところ、3割も筋力が落ちていたそうです。これについては、元の文献がどれなのかわかりません。

しかし、少し探してみたところ、寝たきりだと個人差はあるものの、1日に2~3%前後、筋力低下が起こるという情報が出てきました。10日で20~30%筋力が落ちてしまう計算で、かつて聞いた話とそうズレはないと思います。

不動・廃用症候群

似たような話は患者さんからも聞いたことがあります。

椎間板ヘルニアのため手術を受けた後、ベッドから起きてもいいと言わましたが、自力で立ち上がることができなかったそうです。寝ていた期間は1週間ほど。手術の影響も合わさってのことだとは思いますが、体に負荷をかけない状況は、かなり影響が大きいように思います。

体への負荷は必要です

世間を見渡すと、体への負荷を悪者扱いする情報が目に付きます。しかし、本当に負荷は有害なのでしょうか?

昔は、デスクワークなどで長時間イスに座る生活は、腰に負荷が大きいので腰痛になると言われがちでした。今はどちらかといえば、座ってばかりだと運動不足になるので、健康に良くないと言われます。ならば、運動という形で、もっと色々な負荷をかけるべきともいえるでしょう。

体への負荷を悪者だと考えていると、腰をかばうこと、体を動かさないこと、痛みを怖がることが習慣化していきます。それだと、健康が徐々に遠のいていく可能性が高くなります。

体に負荷をかけるリスクは思いのほか小さく、心配いらないものがほとんどです。それより、負荷をかけないリスクの方がずっと大きいのです。

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子供の腰痛は何が原因?ランドセルの心配はいりません https://urasaki-harikyu.com/blog/lbp-in-schoolchildren https://urasaki-harikyu.com/blog/lbp-in-schoolchildren#respond Wed, 07 Nov 2018 09:00:29 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6452 子供の三人に一人が腰痛を経験

アントワープの小学生を対象に、腰痛の罹患率を調べた研究。
392人中142人(36%)が腰痛の経験あり。男女差なし。
腰痛を訴えている子供の64%は、両親の少なくとも片方が腰痛。
成人では人格が腰痛の要因として確立されているが、子供でも同様の関係が示唆されている。
Low back pain in a population of school children.

子供の36%が腰痛を経験している。腰痛を老化現象と捉えていると不思議かもしれませんが、ストレスと腰痛の関係から考えれば納得できる結果ではあります。

人格、つまりはストレスの影響を受けやすい性格かどうかは、腰痛に関係すると考えられています。この点において、子供も大人も違いはないようです。

子供の腰痛はストレスからくる可能性

原因となる疾患が見つからない子供の腰痛は、身体活動やカバンの重さといった物理的負荷よりも、ストレス(心理社会的要因)の影響が大きい。
感情的な問題を強く抱えている子供は38.9%が腰痛なのに対して、そうでない子供は16.2~22.8%と腰痛が少ない。
Low back pain in schoolchildren: the role of mechanical and psychosocial factors.

子供の腰痛については、ランドセルの重さが問題とする記事をしばしば見かけます。そこから、腰への負荷を減らそうという方向へ話が進みがちです。

しかし、そもそも腰への負荷と腰痛は関係ないという研究もあり、近年、かなり考え方が変わってきています。

腰への負荷を怖がること、痛みを避けようとすることは、腰痛の慢性化リスクでもあります。

負荷の心配はやめて運動を

日本人は年々、運動能力が低下してきているというデータもあります。体を鍛えないまま大人になり、慢性痛を抱えてさらに体を動かさなくなってしまうと、老後の寝たきりリスクにもつながります。

子供の運動能力低下
子どもの体力の現状と将来への影響 文部科学省

腰痛のためだけでなく、健康のために。ストレスとの付き合い方を学ぶこと、体を適度に動かすことが大切になります。

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レントゲン(X線撮影)は腰痛改善に役立つ? https://urasaki-harikyu.com/blog/slow-to-cure-radiography https://urasaki-harikyu.com/blog/slow-to-cure-radiography#respond Tue, 23 Oct 2018 09:03:00 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6422 腰痛で整形外科に行くと、高い確率でレントゲンを撮ることになると思います。

レントゲン(X線撮影)をはじめとした画像検査には、痛みの原因を突き止めてくれるのではないかという期待があるわけですが、実際には痛みの原因を画像検査だけで突き止めることは困難だといわれています。

また、レントゲンを撮っておくことが、腰痛を治療する上で有利かといえば、必ずしもそうではないようです。

レントゲンを撮ると治りが悪い

レントゲンの効果を調べるため、421人の腰痛患者を、レントゲンあり・なしに振り分けて、追跡調査した研究があります。

・3ヶ月時点

レントゲンあり  74%(148/199)がまだ痛みがある
レントゲンなし  65%(132/203)がまだ痛みがある
3ヶ月時点での改善率
・9ヶ月時点

レントゲンあり 65%(126/195)がまだ痛みがある
レントゲンなし 57%(113/199)がまだ痛みがある
9ヶ月時点での改善率

Radiography of the lumbar spine in primary care patients with low back pain: randomised controlled trial.

研究の結果、3ヶ月が経過した時点で、レントゲンを撮ったグループは腰痛の改善率が低いことが分かりました。

9ヶ月が経過した時点では、レントゲンの有無による統計的な有意差はありませんでした。パーセントで見るとレントゲンなしの方が改善していますが、誤差の範囲ということです。

レントゲンなどの画像診断は、レッドフラッグに該当する腰痛では必要になります。しかし、病気の心配がない多くの腰痛(非特異的腰痛)においては、治療に役立たない可能性があります。

腰に問題がないかハッキリさせないと不安という場合もあるかもしれませんが、レントゲンで分かるのは形の異常だけです。形の異常があっても、痛いと決まるわけではありません。

ただ,形態学的な評価には常に問題がつきまとう.それは,腰痛を形態学的評価のみで行っては,質的,そして機能的評価が不十分になることである.なぜならば,腰痛と形態学的な異常とは直結しないからである.(腰痛 第2版 菊地臣一)

海外の腰痛診療ガイドラインでは、レッドフラッグのない腰痛に対する画像診断を禁じています。

レントゲンには放射線被曝のリスクもあります。レントゲンを撮れば安心というような単純なものではないことを知っておいて損はないでしょう。

参考⇒腰痛の原因と治し方(まとめ)

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