京都府 向日市 うらさき鍼灸院 https://urasaki-harikyu.com 京都府向日市の「うらさき鍼灸院」です。阪急東向日駅西口すぐ。肩こり・腰痛・五十肩・坐骨神経痛・自律神経失調症など、お気軽にご相談ください。 Tue, 17 Jul 2018 03:45:39 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.7 https://urasaki-harikyu.com/wordpress/wp-content/uploads/urasaki_favicon.jpg 京都府 向日市 うらさき鍼灸院 https://urasaki-harikyu.com 32 32 痛みはどこで感じるの? 脳のペインマトリックスと鎮痛機構 https://urasaki-harikyu.com/blog/pain-matrix-and-analgesia-mechanism https://urasaki-harikyu.com/blog/pain-matrix-and-analgesia-mechanism#respond Tue, 17 Jul 2018 03:45:39 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=6036 ペインマトリックス 痛みを感じる脳内ネットワーク

痛みを感じるとき、活動が盛んになる脳の領域はペインマトリックス(痛み関連脳領域)と呼ばれています。

痛みは脳のどこか一部分だけで感じ取っているものではありません。痛覚中枢と呼ぶべき場所もありません。

痛みとは、記憶、情動、理性、感覚などの情報が複雑に混ざりあった結果、生じる(合成される)個人的な体験です。

ペインマトリックス
痛みの機能的脳画像診断より
ペインマトリックス
一次体性感覚野(S1)、二次体性感覚野(S2)、前帯状回(ACC)、後帯状回(PCC)、島(INSULA)、視床下部(HT)、前頭前野(PFC)、後頭頂皮質(PPC)、扁桃体(AMYG)、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、中脳水道周囲灰白質(PAG)、腕傍核(PB)、視床後外側腹側核(VPL)、背内側核腹尾側部(MDvc)、腹内側核後部(VMpo)など

扁桃体と海馬

扁桃体と海馬

痛みを理解するには外せないのが扁桃体です。扁桃体には全身の感覚情報が流れ込んできます。その情報を海馬の記憶と照らし合わせ、有害と判定するとネガティブな情動(不安・悲しみ・怒り・恐怖)が生じます。

ネガティブな情動は視床下部などに送られてストレス反応を引き起こし、慢性的な痛みにつながります。

帯状回

前帯状回

脳内ネットワークの橋渡し役で、痛みにも強く関わります。特に前帯状回は痛みとの関連が深い部位です。

島皮質

自己意識の形成に関わる島皮質ですが、体の感覚や情動に関わる情報を受け取り、それらを自律神経系に送り出すことでストレス反応にも関わっています。

前頭前野

前頭前野と扁桃体

思考・判断・認知に関わるだけでなく、情動とも関わりがあります。前頭前野の中でも、背外側前頭前野(DLPFC)は扁桃体の活動を調整します。しかし、長期戦になると疲弊してしまい、抑えきれなくなる場合があります。

視床と体性感覚野

視床と体性感覚野

外界からの感覚情報は視床に入り、体性感覚野に送られます。体性感覚野には一次と二次があり、どこが痛むという情報は一次(S1)へ、痛みの性質・痛みにまつわる情動については二次(S2)へ送られます。

視床や一次体性感覚野は、痛みが慢性化すると活動が低下する特徴があります。

痛みを抑える 脳の鎮痛機構

ドパミンシステム

私たちが実際に感じる痛みの強さは、脳の鎮痛作用とのせめぎあいによって変化します。

ドパミンシステム
脳に痛みの情報が入ると、腹側被蓋野から側坐核や腹側淡蒼球に向けてドパミンが放出されます。側坐核が興奮すると、複数の神経核が一斉に活性化して鎮痛作用を発揮します。このとき放出される鎮痛物質としてはβエンドルフィンが有名です。

下行性疼痛抑制系
神経の興奮が中脳水道周囲灰白質に伝わると、下行性疼痛抑制系が働き、痛みの信号が末梢神経から脊髄後角に届いたところで遮断されます。中脳水道周囲灰白質はモルヒネの作用点でもあり、強い鎮痛効果を発揮します。

痛みを知るには脳を知る必要がある

私達が普段痛みを感じないのは、気づかないうちに鎮痛作用が働いているからです。鎮痛が働かない状況になると、体に何も問題がなかったとしても痛みを感じる状態になります。例えば、線維筋痛症では体に何の異常も見つからないのに全身が痛みます。

鎮痛作用を働かせるためには、ネガティブな情動(不安・悲しみ・怒り・恐怖)を鎮めること。そして、できる範囲でいいので体を動かす習慣をつくることです。

痛みの多くは、体の物理的な損傷ではありません。体の問題(姿勢・身体負荷・老化・骨の変形・神経の圧迫等)から痛みを予測することは困難です。

しかし、脳や心に焦点を当てることで痛みを予測できる可能性が出てきています。例えば、前頭前野・扁桃体・側坐核の神経的なつながりが強い人は、痛みが慢性化しやすいという研究があります。

Corticolimbic anatomical characteristics predetermine risk for chronic pain.

痛みの治療を考えるとき、もはや脳を無視できる時代ではないようです。

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腰に負荷をかけると腰痛になる? https://urasaki-harikyu.com/blog/hard-labor-and-low-back-pain https://urasaki-harikyu.com/blog/hard-labor-and-low-back-pain#respond Sat, 07 Jul 2018 09:51:16 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=5977 腰痛は職業病だ。
腰に負荷のかかる仕事をしていると腰痛になる。

こうした考え方は、日本ではまだまだ根強いかもしれませんが、海外ではそうではありません。

むしろ、腰に負荷をかけることで体が発達すると肯定的に考えられていますし、椎間板にしても負荷をかけた方が老化(変性)がゆっくりになることが分かっています。運動は腰に負荷がかかりますが、腰痛を予防することが分かってきています。

関連記事⇒椎間板変性が原因で腰痛になる?負荷を恐れる必要はない

身体的負荷が腰痛を減らすことが判明

負荷で腰痛が減る

2003年の研究です。

スウェーデンの農業従事者1221名と非農業従事者1130名を対象に、身体的負荷の筋骨格系症状への影響を調べました。その結果、身体的負荷はこれまで考えられていたのとは違い、むしろ腰痛を減らすことが明らかとなりました。

The impact of physical work exposure on musculoskeletal symptoms among farmers and rural non-farmers.

そんなはずは?と思われたかもしれません。しかし、ここで大事になるのは常識を疑う視点です。

例えば、農家の人が「腰が痛い」と言ったとしましょう。すると私達はつい、「農業は腰に負担がかかるから腰痛になるんだな」と考えてしまいます。しかし、実際には偶然どこかにぶつけただけかもしれません。

このように、私達にはこれまで生きてきた中で作り上げたイメージで物事を見てしまうクセがあります。それによって、事実とは異なった物の見方をしているのかもしれません。医学では、こうした無意識の先入観を取り除いていくことが大切とされています。

この研究では、腰痛をはじめとした筋骨格系症状に、何が関係あって、何が関係ないのかを統計を使って詳しく調べています。その結果、身体的負荷はむしろ腰痛を減らしていて、腰に「保護的に」作用することが確認されました。

こうなると、腰痛を起こしているのは身体的負荷とは別の何かというしかありません。この論文では、「腰痛の罹患率を身体的負荷で説明することはできなかった」「身体的負荷に焦点をあてた予防戦略は、より広範囲なアプローチによって補完する必要があるようだ」として、心理・社会・経済的な要因などを挙げています。

この結論は、その後の腰痛とストレスの研究によって、さらに明確化してきているといえるのではないでしょうか。

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腰痛の治療法には何があるの?より良い選択のために https://urasaki-harikyu.com/blog/evidence-based-low-back-pain-treatment https://urasaki-harikyu.com/blog/evidence-based-low-back-pain-treatment#respond Wed, 04 Jul 2018 02:50:32 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=5937 腰痛は、そのほとんどが検査で異常が見つからない安全なものでした。仮に異常が見つかっても手術が必要なケースは稀で、自然に治っていくものがほとんどです。

しかし、慢性化してしまうと治りにくくなることもよく知られているので、慢性化させないことが大事になります。そのためには、できるだけ普通に過ごすこと、不安や恐怖をかかえないことがポイントになります。

とはいえ、ただ自然に治るのを待っているだけというのもつらい話です。急性期(4週以内)では、痛くて動けなかったり、仕事や家事に影響が出てお困りの方も多いでしょう。もしくは、長引く腰痛に悩み、すでにいくつかの治療を試したが治らない、とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

そんなとき、星の数ほどある腰痛治療の中から、何をどう選べばいいのでしょうか。そのヒントとして、この記事では最初にエビデンスレベルについて説明をしてから、腰痛診療ガイドラインに掲載されている治療法より、いくつかをご紹介します。

科学的根拠(エビデンス)の重要性

情報の裏付けとなる研究のことを科学的根拠(エビデンス)といいます。

ある治療法が有効かどうかを知るにはどうすればいいでしょうか。実際に治療を受けた人が治ったかどうかを確認すれば間違いなさそうに思えますが、これがそう簡単な話ではありません。

人にはプラシーボ効果(プラセボ効果)によって、意味のない治療であっても反応し、治してしまう力が備わっています。また、自然治癒というものもあります。

本当にその治療が効いて治っているのか?放っておいても同じように治ったのではないか?この疑念を払拭しないと、それは宗教的な儀式と大差ない可能性だって残されてしまうわけです。

そこで臨床試験を行い、自然治癒と比べた場合、もしくはニセの治療(プラセボ治療)と比べた場合で、どう優れているのかを確認することが大切とされています。

エビデンスレベルとは

エビデンスレベル

I システマティック・レビュー/ランダム化比較試験のメタアナリシス
II 1つ以上のランダム化比較試験
III 非ランダム化比較試験
IVa 分析疫学的研究(コホート研究)
IVb 分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)
V 記述研究(症例報告やケースシリーズ)
VI 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見

科学的根拠(エビデンス)の強さにはレベルがあり、上に行くほど信頼性の高い根拠になります。最近はGoogle検索が優秀になってきたせいか、記事の中に根拠となる研究(論文)が示されていることも増えてきました。そうした情報を見るときの参考にしてみてください。

ランダム化比較試験(RCT)とは、ある治療の有効性を調べるときに、ニセの治療と効果を比較するものです。被験者が恣意的に偏らないように、くじ引きなどでランダムに振り分けます。

ランダム化比較試験が複数あって結果がばらついているときは、それらをまとめて検証するメタアナリシスという研究が行われます。

この表にはありませんが、動物実験や試験管の中での実験に基づいた情報もかなり出回っています。しかし、人間で確認されていない研究は、この表よりも下になると思っていただいて大丈夫です。ネズミに効いたものが人間に効くとは限らないからです。

一番下に、専門家の意見というものが入っています。医師の先生が言っていたからといって、間違いがないとは限りません。

診療ガイドライン

科学的な裏付けのある医学情報を集めて、診療ガイドラインというものが作られています。

診療ガイドライン(しんりょうガイドライン、英 Medical guideline)とは、医療現場において適切な診断と治療を補助することを目的として、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新の情報を専門家の手で分かりやすくまとめた指針である。
Wikipedia 診療ガイドライン

診療ガイドラインが絶対ではありません。この世の全ての治療法が科学的に検証されているわけでもありませんし、患者さんそれぞれの選択があります。ただ、信頼性の高い情報であることも事実なので、うまく参考にしてください。

ガイドラインで推奨される腰痛の治療法より

ガイドラインに挙げられている治療法も多数ありますが、一般的な腰痛でいきなり手術を検討することは稀だと思います。そこで、ここでは保存療法について主だったものを挙げていきます。

なお、日本の腰痛診療ガイドラインには勧告がありませんので、アメリカのガイドラインを参考にしています。

・鍼灸(しんきゅう)
鍼灸は、アメリカ最新の腰痛診療ガイドラインで、急性腰痛・慢性腰痛の両方で推奨されています。
改定前は推奨に入っていなかったのですが、その後の研究によって効果が認められ、推奨に入りました。

・マッサージ、脊椎マニピュレーション
こちらも急性・慢性の両方で推奨になっています。

・リハビリテーション
慢性腰痛において推奨されています。

・運動、ヨガ、太極拳
体を動かすことで、慢性腰痛の改善に効果が期待されます。

・マインドフルネス(瞑想)
ストレスを下げることで慢性腰痛の改善が期待されます。

・認知行動療法
慢性腰痛の治療として、近年高い注目を集めています。

・薬物療法
こちらは医師の先生とよくご相談ください。

アメリカ腰痛診療ガイドライン2017

・読書療法
2007年のアメリカ腰痛診療ガイドラインでは、「腰痛患者の教育とセルフケアのアドバイスを提供する資料(書籍、小冊子、またはリーフレット)を読むこと」が記載されています。腰痛の正しい知識が腰痛改善の手助けになることは自明ではありますが、研究によっても裏付けられています。

アメリカ腰痛診療ガイドライン2007

何を読んだらいいか分からない方は、個人的見解で恐縮ですが、以下の2冊をおすすめしておきます。
・腰痛ガイドブック 根拠に基づく治療戦略 長谷川淳史(著)
・人生を変える幸せの腰痛学校  伊藤かよこ(著)

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腰痛は自然に治る?慢性化を防ぐための注意点 https://urasaki-harikyu.com/blog/back-pain-recovers-naturally https://urasaki-harikyu.com/blog/back-pain-recovers-naturally#respond Tue, 03 Jul 2018 07:08:55 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=5891 以前、こちらの記事にて、腰痛は1年経っても33%残るという論文を紹介しました。

腰痛は慢性化すると治りにくくなるという特徴があります。なぜ治りにくくなるのかといえば、不安・怒り・悲しみ・恐怖といったネガティブな気持ちが脳に変化を起こすからです。

しかしその一方で、慢性化する前であれば自然に治ることが多いのも腰痛の特徴です。慢性化の目安は3ヶ月ですので、多くの腰痛はそれまでに治るということです。

多くの腰痛は自然に治る

腰痛は、自己限定性疾患といわれています。自己限定性疾患という言葉はそのままだと難しいですが、「自然に治る疾患」という意味になります。腰痛はカゼと同じように放っておいても自然に治るので、こじらせなければそう悪いものではありません。

いや、疾患という言葉も適切ではないのかもしれません。多くの腰痛は検査をしても異常が見つからず、診断がつかないからです。

少し古いですが、The New England Journal of Medicineという有名な医学誌に掲載された論文には、次のような内容が書かれています。

  • 腰痛は通常、自己限定的な症状である
  • 非特異的腰痛は、6週間で90%が自然治癒
  • 坐骨神経痛は、1ヶ月で50%が自然治癒

自己限定的なので自然に治ります。また、疾患(disease)ではなく、症状(symptom)という言葉が使われています。

非特異的腰痛というのは、検査をしても異常の見つからない一般的な腰痛のことです。お尻や足にかけて痛みやしびれが出る坐骨神経痛は、普通の腰痛よりは長くかかる傾向にありますが、こちらも自然に治っていくことが多い症状です。

Back pain and sciatica.

腰痛の慢性化を防ぐには

ただし、一部ですが痛みは慢性化して長引く場合があるので、それを防ぐ方法をお伝えしておきます。

まず、自分の腰痛は特別にひどいとか、もう治らないとか、歳のせいで体が衰えてしまったとか、痛みをネガティブに受け止めないようにすることです。気持ちがネガティブになると、痛みに悪影響があります。

その上で、なるべく安静にしないこと、できる範囲でいいのでなるべく普通に生活を送ることです。今の医学で分かっている範囲では、これが腰痛の慢性化を防ぎ、早く治す方法になります。

痛みが強くて身動きが取れない場合は横になっていても大丈夫ですが、安静にするのは2日以内にとどめた方が良いといわれています。横になったままだと、かえって治りが遅くなってしまうからです。

参考:日本腰痛診療ガイドライン

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腰部脊柱管狭窄症でも手術はいらない? https://urasaki-harikyu.com/blog/lumbar-spinal-canal-stenosis-and-surgery https://urasaki-harikyu.com/blog/lumbar-spinal-canal-stenosis-and-surgery#respond Tue, 26 Jun 2018 06:18:27 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=5847 先日、椎間板ヘルニアは心配いらないことを説明しました。ではヘルニアと同じように、「神経の圧迫で痛みが出る」と説明される脊柱菅狭窄症はどうでしょうか。

腰部脊柱管狭窄症とは

腰の神経は、背骨の脊柱管というトンネルを通っています。この脊柱管が骨の変形などで狭くなり、神経を圧迫するのが脊柱菅狭窄症といわれています。

脊柱菅狭窄症とは

脊柱菅狭窄症では、腰の痛み、足の痛みやしびれ、そして間欠性跛行(かんけつせいはこう)が特徴といわれます。跛行というのは歩行異常のことで、痛みのために連続して長く歩くことができず、休み休みになってしまう状態です。

一般的にはこのように説明される脊柱菅狭窄症ですが、実のところ、あまり心配しなくていいことが分かっています。

腰部脊柱管狭窄と症状には関係がない

神経が圧迫されて痛みやしびれが出る。この説明はいたるところで使われますが、本当かどうか調べてみると、実は間違いであることが分かります。

腰部脊柱管狭窄症の患者100名をレントゲンやMRIで調べた研究では、脊柱管の狭まり方と症状には関係性が見られないことが明らかとなりました。

Lumbar spinal stenosis. Clinical and radiologic features.

脊柱管が狭くても平気な人もいれば、そんなに狭くなっていないのに辛い人もいるわけです。こうなると、腰部脊柱管狭窄症という診断名そのものに疑問が湧いてきます。

また、脊柱管狭窄症の特徴といわれる間欠性跛行ですが、狭窄があっても跛行が出ない人が普通にいます。その逆に、骨に全く異常がなくても間欠性跛行が出ることはあります。間欠性跛行が出るかどうかを脊柱菅狭窄の有無から知ることはできません。

そもそも、神経というものは圧迫したからといって痛みが出るというものではありません。マイクのコードを踏みつけても音が鳴らないのと同じ理屈です。

腰部脊柱管狭窄症の手術は正直微妙です

神経の圧迫によって痛みが出るのなら、物理的にその圧迫を取り除く手術にはすばらしい効果があるはずです。しかし、現実はそうはいかないようで、手術成績から考えても脊柱菅狭窄症そのものに疑問符がつく結果となっています。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術の成績について74件の論文を調べたところ、平均で患者の64%に有効だったことが分かりました。また、手術の結果を予想できる患者の特徴を見つけることはできなかったとしています。

Surgery for lumbar spinal stenosis. Attempted meta-analysis of the literature.

64%という有効率は高いものではありません。なぜなら、過去に医学界が無効と判定してきた治療法の平均有効率は70%もあったことが分かっているからです。70%も改善していてなぜ無効と判定されるのかといえば、プラシーボ効果(プラセボ効果)というものがあるからです。意味のない治療を受けても、それに反応して治してしまう力が私達にはもともと備わっています。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術が70%以下の有効率しかない。これは言ってしまうと、脊柱管狭窄は全く心配いらないもので、痛みとは関係のない手術だったのでプラシーボ効果を越えることがなかった、という話です。

The power of nonspecific effects in healing: Implications for psychosocial and biological treatments

脊椎固定術は行うべきではない

脊柱菅狭窄症の手術には、圧迫を取り除く除圧術の他に、脊椎固定術があります。しかし、アメリカの文献によると、固定術の実施が2002年から2007年の間に急増したこと、再手術の割合が高いこと、合併症が起こる確率が高いことなどが指摘されています。脊椎固定術はリスクが高く、また批判の多い手術でもあります。

Trends, major medical complications, and charges associated with surgery for lumbar spinal stenosis in older adults.

椎間板ヘルニアに対しても、椎弓切除術単独より、固定術を併用した方が有効率が低いという研究があります。
Lumbar laminectomy for herniated disc: a prospective controlled comparison with internal fixation fusion.

なぜか日本の腰痛診療ガイドラインでは固定術がフォーカスされていますが、腰痛・坐骨神経痛の治療には他に良い選択肢があります。痛みと関係のない骨の心配をするより、もともと持っている力で治すことを考えてみませんか?

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お知らせ:当サイトの更新情報、常時SSL化など https://urasaki-harikyu.com/blog/always-ssl https://urasaki-harikyu.com/blog/always-ssl#respond Mon, 25 Jun 2018 10:54:13 +0000 https://urasaki-harikyu.com/?p=5793 常時SSL化

当サイトを常時SSL化しました。

SSLというのは、通信の暗号化技術のことです。インターネットでウェブサイトを閲覧するとき、パソコンやスマートフォンはウェブサイトの情報が置いてあるサーバーと通信を行います。その通信を暗号化することで、誰がどんなページを見ているとか、入力した文字やカード情報などを盗み見られたりすることがないように保護することができます。

検索サービスのGoogleはSSLを推奨していて、ブラウザのGoogle Chromeは7月のアップデートで、SSL化していないサイトには警告が表示されるようになるとのアナウンスが出ていました。こうした流れを受けて、当サイトでも導入することにしました。

閲覧する上で何か変わるわけではありませんが、例えばお問い合わせフォームでのやり取りなども暗号化されて安全になります。それと、当サイトのアドレスに「s」が一文字増えて、http://urasaki-harikyu.com/ から https://urasaki-harikyu.com/ に変わります。

とはいえ、これまで通りのアドレスにアクセスしても転送されるので、使い勝手が変わることはないはずです。

常時SSL化

作業中にサイトがおかしくなっていたのでご不便をおかけしたかもしれませんが、今は安定していると思います。

スマホ表示のメニューを入れ替え

スマホ版メニュースマホ版メニュー開いた状態


一応これまでも、スマホで普通に閲覧はできていたと思いますが、画面上にあるメニューがいまいち分かりづらかったと思います。それをスマホ用メニュープラグインで解決を図っています。スマホではおなじみの3本線、いわゆるハンバーガーメニューです。

当サイトはかなりページ数が多いので、メニューに全項目を入れてしまうとかえってややこしくなると思い、控えめにしています。もし「もっと入れて欲しい」といったご要望がありましたらお知らせください。

パソコン版のサイドバーが右から左に

サイドバーの位置

ページが増えてくると、画面の広いパソコンでも、横並びのメニューだけでは足りなくなってきます。そろそろサイドバーをメニューとして本格的に使うべきだろうと考えた結果、視界に入りやすい左サイドバーへと変更することにしました。

とはいえ、左サイドバーは視界に入りやすいことの裏返しとして、記事を読むときには邪魔になりやすいとも聞きます。しばらく様子を見て不評そうなら戻そうと思います。戻すだけなら30秒くらいでできますので。

シェアボタンの変更

最近、ブログ記事にシェアなどのリアクションをいただけることが増えてきて、大変ありがたく思っています。非常にモチベーションになります。

これまでシェアボタンは、このwordpressテーマに付属のものを使ってきたのですが、LINEが入っていないという点が気になっていました。そこで、以下のシェアボタンに切り替えています。もし、記事が参考になりましたらシェアしていただけるとありがたいです。

他にも色々変わっているかもしれませんが、よりわかりやすく、使いやすくと考えて更新しています。今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。

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椎間板ヘルニアは手術しかない?いえ、自然に治る可能性は高い https://urasaki-harikyu.com/blog/natural-healing-of-intervertebral-disc-herniation https://urasaki-harikyu.com/blog/natural-healing-of-intervertebral-disc-herniation#respond Tue, 19 Jun 2018 09:15:13 +0000 http://urasaki-harikyu.com/?p=5738 腰痛や坐骨神経痛(足の痛み・しびれ)で病院に行き、検査を受けたら椎間板ヘルニアと言われてしまった。このような場合はどうしてもショックを受けるでしょうし、不安やストレスに悩まされることにもなるでしょう。

もしかすると、椎間板ヘルニアに対して、もう治らないとか、ずっとこのままというようなネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

椎間板ヘルニア解説

椎間板ヘルニアは一般的に、背骨の間にある椎間板というクッションがつぶれて飛び出し、神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こすと説明されます。そのため、治療には手術しかないとか、手術が嫌ならだましだまし付き合うしかないというイメージがまだまだ強いようです。

しかし近年の研究によって、椎間板ヘルニアがあっても手術せずに問題なく治る場合が思いのほか多いことが分かっています。

椎間板ヘルニアが自然に消滅する

ヘルニア自然退縮

椎間板ヘルニアは、およそ2~3ヶ月で自然退縮することが少なくありません。飛び出した椎間板が小さくなって消えてしまうというのです。

これはマクロファージという白血球の働きです。マクロファージはアメーバ状の免疫細胞で、体内の細菌や壊れた組織などを取り込んで(食作用)、掃除してくれる働きがあります。これによって、飛び出した椎間板の組織が食べられて、消えていくというわけです。

そのため、病院で椎間板ヘルニアが見つかってもすぐに手術とはならず、痛み止めを飲みつつ様子を見るよう言われることも多いと思います。

参考:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 改訂第2版

腰痛治療革命

NHKスペシャル 腰痛治療革命(2015.7.12)

そもそも椎間板ヘルニアが悪いわけではない

椎間板ヘルニアは、腰痛や坐骨神経痛(神経根症状)の原因だといわれますが、本当にそうでしょうか?

そもそも、腰痛にしても坐骨神経痛にしても、画像診断で調べることができません。医師にヘルニアの画像を見せて、この患者に痛みはありますか?と質問しても判別はできません。

腰痛や坐骨神経痛は画像所見で何も異常がなくても発症することが知られていますし、椎間板ヘルニアは腰痛のない健常者の76%に見つかったとする世界的に有名な論文もあります。そのため、痛みと椎間板ヘルニアには関係がないという理解が広がってきています。

先ほど椎間板ヘルニアの自然退縮について書きましたが、自然退縮よりも前に痛みが治る場合もあります。椎間板ヘルニアは診断名としては使われますが、痛みの原因を説明するものではありません。

Chemical radiculitis.
1995 Volvo Award in clinical sciences. The diagnostic accuracy of magnetic resonance imaging, work perception, and psychosocial factors in identifying symptomatic disc herniations.
腰椎椎間板ヘルニアの自然退縮機序とこれを利用した臨床応用の開発(加茂整形外科医院より)
一問一答!腰痛のエビデンス(著:菊池臣一 金原出版株式会社)

椎間板ヘルニアは手術が絶対ではない

椎間板ヘルニアの患者280名を対象とした研究によると、手術は保存療法と比べて、術後1年ではある程度の優位性がありましたが、4年後には差がなくなっていました。

椎間板ヘルニアで手術した患者と保存療法の患者を労災補償の有無で分類し2年間追跡調査した研究でも、手術に関わらず症状は改善しており、痛み・復職率・活動障害に差がありませんでした。

このように、ヘルニアは手術してもしなくても改善することが分かっています。手術を決断するのは、他の手段をじっくり検討してからでも遅くはありません。運動、リハビリ、鍼灸、マッサージ、読書療法、ストレスコントロール。方法はいろいろあります。

いずれにせよ、自分で選び、自分で治そうとする姿勢を大切にしていただければと思います。

Lumbar disc herniation. A controlled, prospective study with ten years of observation.
The impact of workers’ compensation on outcomes of surgical and nonoperative therapy for patients with a lumbar disc herniation: SPORT.

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腰痛とうつ病に関係がある? https://urasaki-harikyu.com/blog/relationship-between-back-pain-and-depression https://urasaki-harikyu.com/blog/relationship-between-back-pain-and-depression#respond Tue, 12 Jun 2018 11:38:05 +0000 http://urasaki-harikyu.com/?p=5558 痛みがネガティブな気持ちと結びつくと、脳を変化させて痛みが慢性化する。ストレスは腰痛を引き起こし、慢性化のリスクになる。では、うつ病はどうでしょうか。

不安障害とうつ病は筋骨格系疾患を重症化させる

体を動かすと筋肉や関節が痛む。こうした筋骨格系疾患の患者500名を対象に行われた研究があります。

腰痛をはじめとした痛みのある患者を集め、「痛みのみ」「痛み+不安障害」「痛み+うつ病」「痛み+不安障害+うつ病」の4グループに分けます。その上で、過去3ヶ月のうち、痛みのせいで日常の活動(仕事、学校、家事など)が制限された日数を調べました。

結果は、体の痛みだけのグループより、不安障害やうつ病が重なったグループの方が、痛みのために強い活動制限を受けていました。つまり、重症度が高かったといえます。

グループ 活動障害日数
痛みのみ 18.1日
痛み+不安障害 32.2日
痛み+うつ病 38日
痛み+不安障害+うつ病 42.6日

不安障害やうつ病が重なっていると、痛みがはるかに強いという関連が見られました。また、生活の質も低くなっていました。

Association of depression and anxiety alone and in combination with chronic musculoskeletal pain in primary care patients.

虐待やネグレクトと慢性痛には関係がある

2005年、小児虐待と慢性痛に関する4研究のメタ解析があります。メタ解析というのは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析を行うことです。根拠に基づく医療(EBM)の中でも、最も高い根拠とみなされます。

これによると、幼少期に虐待(身体的・精神的・性的)やネグレクト(育児放棄)を受けていた人は、そうでなかった人よりも、成人後の体の痛みや症状が多いことが分かりました。また、慢性痛の患者は、健常者よりも小児期に虐待・ネグレクトを経験した可能性が高いことが分かりました。

虐待やネグレクトは将来のうつ病のリスク要因といわれますが、慢性痛のリスク要因でもあります。心の問題と身体症状は切り離すことができません。

Are reports of childhood abuse related to the experience of chronic pain in adulthood? A meta-analytic review of the literature.

うつ病患者は痛みを予期しただけで扁桃体が活性化

2008年の研究です。うつ病患者15名と健常者15名を対象に、熱刺激と脳の反応をfMRI(機能的磁気共鳴画像法)で調べました。その結果、うつ病患者は痛みを予期しただけで扁桃体が活性化することが分かりました。

扁桃体はネガティブな情動と関わっていて、刺激されるとストレスホルモンを増やして痛みを引き起こすと考えられています。

痛みを予期しただけで扁桃体活性化

また、無力感が高まるほど扁桃体が活性化し、痛みや感情を調節する部位(DLPFC)の働きが低下することも分かりました。

Major Depressive Disorder is Associated with Altered Functional Brain Response During Anticipation and Processing of Heat Pain

うつ病患者は側坐核が機能低下

うつ病では側坐核が機能低下を起こすことも確認されています。うつ病患者16名と健常者15名に、好きな音楽を聞かせて脳の活動を調べたところ、側坐核の活動に大きな差がありました。

側坐核というのは、嬉しいとき、何かを達成したときに活性化する一方で、痛みを感じたときに痛み止めの作用を発揮することでも知られています。その働きが落ちるということは、気持ちがポジティブにならないだけでなく、痛みが強くなるという意味があります。
Brain activation to favorite music in healthy controls and depressed patients.

実は、うつ病に見られるこれらの脳の変化は慢性腰痛の特徴でもあります。つまり、慢性腰痛とうつ病は単に関係があるだけにとどまらず、脳内で同じことが起きていることが分かってきました。うつ病の方に腰痛が多いのもうなずける話です。

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慢性腰痛で萎縮した脳は元に戻るの? https://urasaki-harikyu.com/blog/cbp-brain-recovery https://urasaki-harikyu.com/blog/cbp-brain-recovery#respond Tue, 05 Jun 2018 11:16:12 +0000 http://urasaki-harikyu.com/?p=5428 慢性腰痛では、脳が萎縮するなどの大きな変化が起こります。それによって痛みを感じやすくなり、さらに腰痛が長引いてしまいます。
関連記事⇒腰痛が慢性化して治らないのはなぜ?脳の変化がポイント

こうした脳の変化は元に戻ることはないのでしょうか?

認知行動療法で脳が回復した

2013年の研究です。慢性疼痛患者13名に認知行動療法を行い、脳の変化を調べました。それによると、11週の認知行動療法の結果、脳の体積は大きく増加・回復していました。

Cognitive-behavioral therapy increases prefrontal cortex gray matter in patients with chronic pain.

認知行動療法とは、簡単にいえば痛みと上手につきあう方法を学ぶものです。痛みで悲観的にならないよう認知(認識)を切り替えていくこと、痛みを改善するために行動パターンを変えていくことなどが含まれます。患者さんご自身が痛みに向き合えるよう支援していくものだとお考えください。

破局的思考スコアが改善するほど脳も回復

同じ論文では、破局的思考と脳の回復についても調べています。

破局的思考とは「痛みのことを繰り返し考える」「痛みに対して自分は無力だと感じる」「痛みはさらに悪化すると思う」などの悲観的な思考のことです。このようなネガティブな考え方は痛みに悪影響がありますが、認知行動療法によって破局的思考が改善するほど脳も回復していました。

破局的思考が改善するほど脳の体積が回復

治療で痛みが改善すれば、脳は回復する

2011年の研究です。少なくとも1年以上痛みが続いている慢性腰痛の患者に脊椎手術や椎間関節注射などの治療を行い、脳の変化を調べました。慢性腰痛患者は脳の複数の領域において皮質が薄くなっていましたが、痛みを治療した結果、背外側前頭前野(DLPFC)をはじめとした皮質の厚みが増加していました。

治療後のDLPFCの変化

Effective treatment of chronic low back pain in humans reverses abnormal brain anatomy and function.

慢性の痛みは、脳に大きな変化を起こします。しかし、それは取り返しのつかないものではなさそうです。痛みを改善することで脳は本来の状態へと戻っていくことが確認されています。

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プラシーボ効果は気のせいじゃなかった?痛みを治す自然の力 https://urasaki-harikyu.com/blog/analgesia-due-to-placebo-effect https://urasaki-harikyu.com/blog/analgesia-due-to-placebo-effect#respond Tue, 29 May 2018 06:20:50 +0000 http://urasaki-harikyu.com/?p=5396 プラシーボ効果(プラセボ効果)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。偽薬効果ともいいますが、ニセモノの薬や治療であっても効果が出てしまう現象をいいます。

例えば、ただの砂糖の錠剤でも、腰痛の人に飲んでもらうとなぜか効いてしまいます。昔は単に気のせいだろうと思われていたプラシーボ効果ですが、実は脳にしっかりと変化を起こしていることが分かりました。

期待感が高まると脳が活性化する

2005年の研究です。健常者14名のアゴの筋肉(咬筋)に高濃度の食塩水を注入して、持続的に痛みを感じる状態を作ります。その後、被験者の静脈にニセモノの鎮痛薬を投与して、脳の変化を調べました。

その結果、内因性オピオイドとその受容体が活性化していました。内因性オピオイドは体内で作られる鎮痛物質のことで、自然の痛み止めです。

また、背外側前頭前野(DLPFC)や側坐核などの活性化も確認されました。こちらは痛みを抑えるときに活動する部位になります。

本来なら効かないはずのニセ薬ですが、期待する気持ちが高まることで、もともと体に備わっていた鎮痛作用が活性化しました。ポジティブな気持ちは痛みに打ち勝つといっていいでしょう。

プラシーボ効果
Placebo effects mediated by endogenous opioid activity on mu-opioid receptors.

もう一つ、2007年の研究です。先ほどの研究と同じように、アゴの筋肉に高濃度食塩水を注入して痛みを起こします。そこに、「私達は鎮痛薬の効果を研究しています。この薬は、脳を活性化して痛みを抑えると考えられます」と伝えた上でニセの鎮痛薬を投与しました。その結果、鎮痛薬への期待感が大きくなるほど側坐核が活性化して、鎮痛効果も高まることが分かりました。

Placebo and nocebo effects are defined by opposite opioid and dopaminergic responses.

2つの研究でプラシーボとして使われたニセの鎮痛薬、その正体は生理食塩水です。ただの塩水ですから、薬としての作用は一切ありません。薬の力ではなく、自分の力で治しているのです。

痛みを想像するとペインマトリックスが活性化

人の心が引き起こすのは良い効果ばかりではありません。

健康な男性10名に痛々しい場面や恐怖心を煽るような写真を見せ、それが自分の身に起きていると想像させて脳の活動を調べた研究があります。それによると、痛みや恐怖を想像すると、それだけで脳のペインマトリックスが活性化してしまうことが分かりました。ペインマトリックスとは痛み関連脳領域といって、痛みを感じるときに反応する場所のことです。

体が痛いときは自然と気持ちがネガティブになり、痛みのことばかり考えてしまいます。しかし、それは自分で痛みを悪化させている可能性があります。

Inner experience of pain: imagination of pain while viewing images showing painful events forms subjective pain representation in human brain.

気持ちを前向きに

例えば、大好きな趣味に没頭しているとき、痛みのことを忘れていた経験はないでしょうか。もしくは、天候が悪いときに痛みのことを考えてしまい、実際に痛みだした経験はないでしょうか。気持ちが痛みに影響することは知っておいて損はありません。

分かっていれば、対策を打つこともできます。

ストレスから距離を取る。
他人と自分を比較しない。
痛みのことをなるべく考えない。
日常の楽しいことに目を向ける。
自分を褒める。
感謝する。
笑う。
好きなことを楽しむ。

一見すると痛みに関係なさそうなことが、痛みの改善につながります。

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