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とある患者さんからLINEを通じて相談をいただきました。

その方のお父さんが、木を切っているときに転落したそうです。
大きな病院で検査を受けて、どこにも異常はないということでしたが、ご本人は「痛い痛い」と言い続けているそうです。
その時点で、痛めてから1ヶ月近く経っているといいます。

急性期を過ぎて亜急性期に差し掛かったところ。
慢性化を防ぐことが大切ですから、そろそろ治療を考えてもいい時期です。
ご本人も治療を希望しておられるということでしたので、お引き受けすることになりました。

今回の患者さん、88歳の男性です。
痛む場所は腰の右側。
アバラの下縁(Th12)くらいの高さで、背中側からお腹側まで広い部分に痛みを訴えておられました。

1メートルくらいの高さから地面に落ちて、腰背部を打ち付けたという話ですから、まずは背中を診ることにしました。
すると、明らかな筋硬結があり、軽く触れるだけでも痛みのためにビクッと体を震わせます。
ここが患部と見て間違いありません。

腰痛でここまで患部が明らかな例というのも逆に珍しいくらいですが、病院では触診などはされていなかったのでしょうか。
筋肉の問題であることをご説明した上で、小細工なし、ストレートに筋硬結を緩めることにしました。

とはいえ、触れただけでもハッキリと痛みが出ていますので、筋膜に鍼を当てると刺激が強すぎる可能性が高い。
まずは浅く置鍼してじっくりゆるめてから、自然に鍼が進むのを待って、ようやく患部に鍼が届くという刺し方をします。
ここは慎重です。

その上で、お灸でほんのり温めて、さらなる効果を期待します。
また、脈診をしてバランスの悪い部分が出ていたので、その調整も行ないます。

幸い、治療直後に痛みが軽減していることを実感していただけました。
1回で完全に痛みが消えるかは経過をみないと分かりませんが、非常に喜んでいただけました。