腰痛は歳のせいではない

「腰が痛いのは歳のせいだ。」
このような言葉を聞いた経験はないでしょうか。

「歳だから治らない。」
こんな心無い言葉を浴びせられた方も中にはいらっしゃるかもしれません。

でも、本当にそうでしょうか?高齢だからといって皆さん腰痛で困っているのでしょうか。実際はそうではありません。

腰痛有病割合男女年齢別

腰痛に関する全国調査 – 日本整形外科学会より作図

2003年、日本での調査結果です。

もし本当に腰痛が年齢のせいならば、グラフは右肩上がりになるはずです。ところが、30歳代で一度増えたかと思われた腰痛がそれ以降、むしろ減っていきます。加齢が原因だとすれば全く説明がつきません。

20歳代では男女とも20%以上が腰痛です。肉体的に一番充実している時期から腰痛が起きているとなれば、老化とは別の何かが腰痛を引き起こしていると考えるしかありません。

骨粗鬆症は高齢女性に多い

女性については70歳代で腰痛が増えてしまっていますが、高齢の女性というと骨粗鬆症による圧迫骨折の可能性があります。骨粗鬆症は骨がもろくなってしまう状態のことで、閉経後の女性に多くなります。骨粗鬆症の予防には、食生活の見直しと運動が大切です。

骨粗鬆症の年代別有病率
骨粗鬆症調査

・患者数 男性300万人,女性980万人
・70歳代女性は椎体骨折の発生率22.2%(10年間累積)

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

ただ、それを入れてもなお、高齢女性の半数以上が腰痛のない生活を送っています。男性だと高齢の方が腰痛が少なくなります。単純に「歳をとったから腰痛になる」と言うことはできません。

自然な加齢変化が悪いとはいえない

人の体は年齢とともに変化します。例えば、骨が変形したりすることはよく知られています。しかし、自然な加齢変化が腰痛を起こすわけではないことは、まだまだ一般に知られていません。

他の記事で触れましたが、画像診断(レントゲン、MRI、CT)を使って骨を調べても、腰痛があるかどうか見分けることはできないのです。先ほど骨粗鬆症と圧迫骨折の話題を出しましたが、圧迫骨折を起こしても痛みがないことは少なくありません。

構造的な問題を追いかけているだけでは腰痛の全体像は見えてきません。

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