メガネなしで免許更新!?

肩こりや腰痛など、筋肉の問題に鍼灸が効くのは何となくイメージできる方は多いと思います。しかし、眼精疲労、疲れ目に効果があるというのは、ピンと来ないかもしれません。これがけっこう効いてくれますよ。

とある患者さん。当院で治療を受けた後に車の免許更新に行ったそうなのですが、いつもは視力0.1くらいのはずなのに裸眼で「0.7見えてますよ」と言われ、試験をパスしてしまったというのです。その他にも、鍼の後にはよく見えるので、ついメガネを忘れてしまうこともあるんだそうです。さすがに極端な例だとは思いますが、目の症状に鍼灸が有効なことは多いです。

目の疲れに効くのはなぜ?

私達は目を使うとき、つまり物を見るとき、外眼筋という眼球を動かす筋肉や、毛様体筋というピント調節の筋肉を使っています。
しかし、これに加えて首や肩の筋肉も同時に使っています。

試してみるのが一番分かりやすいのですが、頭をしっかり固定した状態で、目だけの動きで本を読んだりしていると、目がメチャクチャ疲れます。なぜかというと、私達は目の動きだけで物を見ているのではなく、同時に首を動かして目の動きを補助しているからです。無意識に目と首の動きは連動している、つまり目の筋肉が緊張していたら首の筋肉も緊張する。その逆もしかりです。

柳谷風池

首藤傅名先生という鍼灸の大家がおられます。私は鍼灸学校1年生のとき、首藤先生の講座を受けたことがあります。そこで、柳谷風池(やなぎやふうち)というツボを頻繁に使っていらっしゃるのが記憶にこびりついていました。でも教科書にも載ってない、何なんだそのツボはと当時すごく気になっていました。

柳谷風池
これが柳谷風池(首藤傅名著・超旋刺と臨床のツボより)

乳様突起の近くにある完骨というツボの内側やや上方あたりで、ゴリゴリした硬い部分を狙います。ここに鍼をすると不思議と目の疲れが取れてくれます。ご自身でマッサージしてもいいと思いますよ。けっこう響きますので、気持ちいい強さで押さえるのがコツです。