A. クセになることはありません。

たまに質問されることがあるのですが、全く心配いりません。

そもそも「クセになる」とは一体どういうことなのでしょう。普通に解釈すれば「やめられなくなる」ということですから、次のような心配をしておられるのでしょうか。

  • 鍼の刺激に慣れてだんだん効き目が弱くなり、よりたくさんの治療が必要になるのでは?
  • 鍼がよく効くのはいいが、依存症になったりはしないか?

この二つでしたら大丈夫です。そんなことにはなりませんから。

鍼灸刺激は順応しない

まず、鍼の刺激に慣れてしまって、よりたくさんの治療が必要になる可能性についてです。体が刺激に慣れることを順応といいますが、鍼灸の刺激は基本的に順応が起こりません。

鍼やお灸で皮膚を刺激すると、皮膚のセンサーから脳へ信号が送られます。この神経は痛覚神経です。痛覚は、生物にとって非常に重要な感覚なので、そもそも順応が起きないという特徴があります。

その痛覚神経を介して鍼灸は作用しますので、刺激に慣れて効かなくなったり、よりたくさんの刺激が必要になったりはしないのです。

鍼灸で依存症になることはない

次に、依存症の心配はあるのか考えてみましょう。

まず、言葉の意味として、依存と依存症は全く別物であるとご理解ください。定義は非常に重要なのです。

依存とは、シンプルに「頼ること」と考えればいいでしょう。依存は非常に意味の広い言葉です。悪い意味とも限りません。「生きるために水と空気に依存している」のは当たり前ですよね。

これに対して、依存症は「対象への耐え難い欲求が生じ、自分ではどうすることもできない状態」をいいます。依存心が強すぎて、自分でコントロールできなくなっているのが依存症です。本来はとても重い意味なのです。

アルコール依存症という病気がありますが、お酒を飲むことを最優先にしてしまい、社会生活に大きな問題が起こります。仕事や家庭を無視して、すべてお酒につぎ込んでしまうわけです。

これに当てはめて考えると、鍼灸依存症があるとすれば、「鍼灸を求めるあまり、自分ではどうすることもできない状態」になります。どこも悪くないのに借金してまで鍼灸院に通いたがるとか、社会生活に問題が起きるレベルでコントロールが効かない状態という話になります。

鍼灸でそのような事態が起きることはありえません。全く心配無用です。

というわけで、鍼灸はクセになったりはしませんので、安心してご利用ください。
当院は皆様をしっかりサポートできるよう頑張って参ります。

安心安全

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