私の治療法は、経絡治療が元になっています。経絡治療というのは、古典医学書の難経を元に再構築された日本式の鍼灸治療になります。

しかし、私がやっている方法と経絡治療には、いくつか相違点があります。より難経寄りになっているということですが、少しその辺りを書いてみようと思います。

経絡治療は随証療法と呼ばれます。証とは、経絡治療の診断名および治療方針を一つにまとめたものだとお考えください。例えば、診察の結果が肝虚証となれば、自動的に治療に使うツボも曲泉・陰谷に決まります。

ところが難経を読むと、なんと「証」(昔の文字では證)という文字が出てきません。難経はそもそも、証を決めて治療するという考え方をしていないわけです。

そのため、私も証をたてません。証という概念がなくても、難経の考え方に従えば、システマチックに治療穴を決定することができます。

むしろ、証と治療穴を結びつけてしまうと、五行穴の選択肢が狭まってしまいます。「一脈変じて十となす」わけですから、治療穴も対応した十穴を運用すべきだと考えるわけです。

クリスマスイブに書く記事かと自分でツッコミを入れつつ、お読み頂きありがとうございました。